PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.39

資源循環型社会形成を目指して取材:RING編集委員

東京都調布市

調布市は、東京都のほぼ中央、多摩地区南東部に位置する人口約23.8万人の市です。古くからの寺社や武蔵野の自然が残る都心から近い住環境の整った住宅地。多数の大学が立地する学園都市でもあります。

2018年からラベルをはがす分別回収

調布市は、2018年にPETボトルのラベルをはがす分別回収を開始しました。市民への啓発活動として「ザ・リサイクル」というごみ対策課広報誌(年3回、調布市の全戸約13万世帯へ配布)や、市報ちょうふへの掲載、ごみリサイクルカレンダーにて新しい排出方法を掲載し、その後も継続的に広報活動を行っています。その他、市のホームページや、小学校などでの出前講座も実施しています。
以前、ラベルをはがして排出してもらっていましたが、処理上問題がないことから、2017年までは、はがさない排出を行ってきました。そのため2018年の開始当時は「またはがすの?」という市民の声がありましたが、「市民の皆さまがそれほど苦にされている反応はなかった」と青木氏は言います。高齢者の方から、「ラベルがはがしにくい」との声が多少ありますが、はがす理由への理解や市民の分別意識が高くなってきたことから、現状の収集状況は市民の意識の差はあるものの、かなりの割合でラベルがはがされるようになってきました。

回収頻度、増加の要望。7、8月のみ対応

調布市 環境部

ごみ対策課減量対策係 係長 青木 久知
同係 主任 岡崎 祐介

調布市では現在、資源物・ごみは戸別収集を行っています。PETボトル飲料の需要が高まり、市民から収集日増加の要望があり、2017年に調布市廃棄物減量及び再利用促進審議会にて、分別区分など見直しを検討しましたが隔週のままとしました。全体の能力は限られており、週1回収集のびん・缶を隔週にするほどびん・缶の排出量が減少していないこと、PETボトルの回収頻度を上げることで市民の利便性は上がるが、資源循環型社会を形成する基本の取り組みである3Rの中では、最優先とするリデュースには繋がらないなど判断したためです。ただ、通常は隔週回収のところ排出量が増加する7、8月は臨時で収集日を設け対応をしています。
(取材日: 2020年12月15日)

ふじみ衛生組合 リサイクルセンター

ふじみ衛生組合 施設課長 青柳 聡史
同 施設課長補佐 星野 巌雄
同 主事 井出 幸宏

ふじみ衛生組合は、1960年に三鷹市と調布市で組織する一部事務として設立されました。2つの市約43万人の市民から日々排出される資源物・不燃ごみは、1994年に竣工した「リサイクルセンター」、可燃ごみは2012年に竣工した「クリーンプラザふじみ」で、受入れ処理を行っています。リサイクルセンターでは、ごみ処理量の削減を図り資源を有効に再利用することを目的に、各家庭や事業者から排出される資源物と不燃ごみを分けて資源として再利用できるよう処理を行っています。
PETボトルは、現在、(公財)日本容器包装リサイクル協会に引き渡しを行っています。PETボトルの受入れ搬入量は、2019年度の実績で約1,660トン(三鷹市約710トン・調布市約950トン)を超えました。年度別で若干異なるものの増加傾向にあり、夏季はPETボトル飲料需要が増加し、年間では8月の搬入量が多い傾向です。収集されたPETボトルは、ストックヤードに集められ、選別ラインにて手選別でキャップや異物を除去し、圧縮梱包しています。圧縮梱包機は梱包バンドを色分けし、一日の作業時間を4区分でベールに表示、異物混入などの問題が発生した場合に対応できるようベールを管理しています。
異物の混入は作業員の怪我、設備故障の原因、さらにリサイクル品質への影響が生じる可能性もあります。異物の除去は基本的に手選別で行っており、完全に除去することが困難な状況です。品質の維持向上や事故を防ぐためには市民の方一人ひとりに分別していただくことが大切になります。市のごみ出しルールに則り資源物を排出してもらえるよう協力をお願いしています。
組合全体の課題は、リサイクルセンターの施設老朽化です。新施設の整備に向けた検討を行っています。新施設の場所は同敷地内を予定しており、日々収集するごみを処理しながら建替えをする必要があるため、限られた敷地内でどのように行うか検討を進めています。
(取材日: 2020年12月15日)

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