PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.39

再生樹脂利用事業者紹介取材:RING編集委員

「もの・空間・まちづくり」を通じて社会の変化によって生じるさまざまな課題解決に取り組んでいる企業
アートファクトリー玄株式会社

アートファクトリー玄は、企画・デザインを含む「もの・空間・まちづくり」を通じて、社会変化によって生じる課題の解決に取り組んでいる会社です。お客様のご要望や課題を的確に把握するコーディネーターと、デザイン・制作・施工に精通したディレクター、デザイナーが協働し、地球環境に配慮した「もの・空間・まちづくり」をお届けしています。社名の「玄」には、アートやデザインの力を積極的に活用し、専門性を発揮しつつ、時代の最先端に応える「玄人」であり続けたいという意思が込められています。

ごみ箱ではない「リサイクルボックス」としての真価

集め入れ矢印マークを付けたごみカゴ

リサイクルボックス「NA-23」

PETボトル再生材100%使用容器回収ボックス

企業の原点は、1971~1972年に長野県霧ケ峰高原で行われた環境保全に関する実証実験への参加でした。当時は観光地や市街地での散乱ごみが問題となっており、この際に試作された「集め入れ」矢印マークを付けたごみカゴが高い回収率を実証しました。
それを基に公共向けごみ箱「コレクタ」が誕生。「コレクタ」には、ごみを「捨てる」箱ではなく、「集める」箱という想いが込められております。その普及を目的に、前身となる日本環境機材株式会社を設立。そして「コレクタ」は、リサイクルの入り口という意味から「リサイクルボックス」と改められます。
その後、自動販売機横で空き缶を回収する上で異物混入が課題となり、飲料メーカーの依頼から、清涼飲料空容器専用のリサイクルボックス「NA-23」が開発されます。これは金属製のパイプフレームに蓋をつけ、現場で出る清涼飲料の空き段ボールを再利用する構造の製品でした。
さらに、増加する自動販売機に合わせて、容量・耐久性・回収作業性、経済効率さらに環境問題にも対応。リサイクル素材を活用した製品開発として、PETボトル再生材100%使用の容器回収ボックスの製造を実現しています。飲料メーカーの「循環型PETボトルリサイクル」への取り組みの一環として、メーカーが自社で回収した使用済みPETボトルを原料に、成型されたものです。
(2021年3月25日取材)

ボトルtoボトルを推進、全清飲と実証実験

近年では、PETボトルリサイクル推進協議会の会員団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)が2020年11月から2021年2月までの期間に順次実施した、PETボトルを効率的に回収するための実証実験に協力しています。

新リサイクルステーション

新リサイクルステーション TYPE1

新リサイクルステーション TYPE2

公園などに設置しても遠目で認識できる、分別表示が従来のリサイクルステーションより認識しやすいことを狙いに開発。
PETボトル、ラベル、キャップの分別を促進できました。

新機能リサイクルボックス

新機能リサイクルボックス

3割以上混入する異物の混入の低減、質の高いPETボトル回収、散乱防止を目的に、東京都渋谷周辺地区から選定した20か所で実施しました。
下向きの投入口としたことで、近づくまで「ごみ箱」と認識されず、無意識の異物投入を抑制。さらに飲み残しの入った飲料空容器の投入抑制も目的です。
従来品、新機能のそれぞれから回収した内容物の組成分析を行い、異物混入率の変化を検証。特に異物混入が多いエリアだったので43%の異物混入を29%まで大幅に減少させる効果をあげるとともに周辺の散乱も抑えられました。

代表取締役 杉村 総一郎

同社ではリサイクルボックスの入口が新しい未来へと繋がるよう、PETボトルの資源循環に積極的に取り組んでいます。

アートファクトリー玄株式会社
本社: 東京都渋谷区神宮前5-2-8
設立: 1973年
URL: http://www.publicart.co.jp/gen/

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