PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.38

新認定PETボトル再利用品のご紹介

技術検討委員会「韓国・中国PETボトルリサイクル技術調査」報告

 2019年度は、中国の廃プラスチック禁輸措置後アジア圏内において、使用済みPETボトルのフレークの輸出が増加した韓国と禁輸後の状況を調査するため中国の2か国を訪問先としてPETボトルリサイクル推進協議会とPETボトル協議会、(公財)日本容器包装リサイクル協会と共同で関係先を訪問し調査を実施した。
 韓国は、マレーシア、ベトナムと並びに日本から多くのPETフレークを輸入している。その数量は2,000~5,000トン/月を占めるようになった。
 韓国のPETボトルのリサイクルは韓国包装材料再活用事業組合(KPRC)と韓国循環支援センター(KORA)が日本の容リ協のような役割を担っている。KPRCが特定事業者(中味メーカー及び容器包装メーカー)や韓国環境公団等とのやり取りを、KORAが回収選別業者や再活用業者との支援金供給等のやり取りを行う仕組みになっている。2017年韓国のPETボトル用樹脂販売量は約28万トン、同年の再活用率は無色78%、有色76%、複合80%程度である(再活用率は、おそらくキャップ、ラベルを含んで計算)。日本から輸入されたPETフレークの行方については、 KORAの会員会社は輸入品を扱っていないということで正確な情報は得られなかったが、日本のフレークは安価で、無色透明なため需要が多いとの話であった。
 また、2018年5月の再活用廃棄物管理総合対策では、2030年までに廃プラスチック発生量50%削減、再活用率70%達成を目指し、PETボトルに関しては有色PETボトルを2020年までに無色化へ変更するという目標が定められている。
 中国は、昨年(2018年)訪問した際には、PETフレークの品質基準に関して改定作業が行われ年度内、遅くとも5月には新しい基準が制定されPETフレークの輸入が解禁されるあろうとの見込みであったが、全くその動きがなかった。現在、PETフレークの品質基準改定に関しては、中国の工業信息部がまとめ生態環境部(旧:環境保護部)及び税関に改定(案)を提出済み、承認待ちの状態であり、いつ承認されるか不明とのことであった。基本的に中国はプラスチックくずは輸入しないものと思われ、日本からのPETフレークの輸入は難しいと思われる。
 我々が中国を訪問した7月には、上海において、ごみの分別収集が中国全土に先駆けテスト的に実施されていた。ごみは4種類に分別され、専用の回収ボックスが設置され、排出できる時間帯も制限されている。PETボトルなどは以前から有価で取引されているため、回収率は既に高いものと推定される。
 今後も、国内外のPETボトルリサイクル関連の情報を積極的に収集し、協議会活動に役立てていきたい。

韓国KPRC,KORAの皆さんと

韓国KPRC,KORAの皆さんと

中国化繊協会訪問

中国化繊協会訪問

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