PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.38

資源循環型社会形成を目指して

京都府舞鶴市

(2020年2月6日取材)

 京都府舞鶴市は日本海に面した人口約8万人の市です。1901年(明治34年)には、海軍鎮守府が開庁し軍港のまちとして発展、戦後は引揚港として役割を果たしました。現在では、日本海側拠点港「京都舞鶴港」を核とした地域活性化を進めています。

資源化率向上を目指し分別区分を変更

 舞鶴市では、資源化率の向上と埋立ごみ量の削減を目指し、2019年度不燃ごみの分別区分を変更しました。
 変更前はPETボトルとプラスチック容器は『プラスチック容器類』として同一区分とされていましたが、『PETボトル』は単独で分別収集することに変更。また、プラスチック製の包装・袋類については、可燃ごみとして分別・焼却処理されていましたが、変更後は『プラスチック容器包装類』として、他のプラスチック製容器類と一緒に収集し資源化されることになりました。
 また、この分別区分の見直しに際しては、PETボトルの排出方法も見直しされており、分別区分変更前はPETボトルのラベルをはがさなくても出せましたが、変更を機に、ラベルをはがすこととされています。

市民の協力によりさまざまな方法で収集

ボトルtoボトルを進めるためにPETボトルがごみではなく資源であることを伝えていくことが大切。業界団体としてサーキュラ―エコノミー社会への変革に「つくる責任」として取り組んでほしいです。

 舞鶴市リサイクルプラザは、容器包装リサイクル法が施行された1998年に開設され、容器包装リサイクル法に準拠したごみ処理ができるように設計されています。
 舞鶴市の不燃ごみの収集回収は月1回となっています。また、リサイクルプラザは市街地の近くに立地しており、自動車が主な生活の足となっているという地域性もあるため、多くの市民がリサイクルプラザへ不燃ごみを直接持ち込んでいます。取材に訪れた際にも、多くの利用者が搬入されている様子が伺えました。
 他にも、市役所や公共施設など9か所で、PETボトルとプラスチック容器包装類の拠点回収を行っています。PETボトルの回収量は、収集が約80トン、持ち込みが約50トン、拠点回収が約20トンとなっており、排出量が増えているため市では、収集回数を増やすことを検討されています。
 PETボトルとプラスチック容器包装類の処理については、PETボトルは手選別をせずに、一方、プラスチック容器包装類は手選別を経て、減容機で圧縮し、保管されています。今回の資源ごみの分別区分変更以前は、手選別のライン上でPETボトルを拾い出し、次に分別基準に適合したプラスチック容器類を選別していましたが、資源化に適しないものなどは減容処理をした後、埋め立てていました。このため、分別区分変更に合わせて資源化に適しないものを除去する工程に変更し、資源化率の向上と埋立量の削減を図っています。

自治会の協力で行われる資源化率の向上

 新たな分別区分への移行に向けては、広報紙や自治会回覧等の広報のほか、住民説明会がのべ70回開催されています。その上で、2018年には一部地域で実証実験を実施、2019年度からは市内全域で新たな分別区分での収集を開始されました。
 また、こうした行政の取り組みの他にも、各自治会では、不燃ごみの収集日にごみステーションにごみの分別方法・適正排出を案内するために「立ち番」を配置されており、この「立ち番」の皆さんも新しい分別区分の周知・定着に協力されました。
 舞鶴市では、これらの広報活動や説明会などを通じ、市民の理解と協力のもと、資源化率の向上とごみ処理の効率化を図られているところです。
 こうした一連の取り組みにより2019年度には、PETボトルの資源化量は前年比で約1.2倍に、プラスチック容器包装類の資源化量は約2.4倍になることが見込まれ(取材時点)、舞鶴市でのPETボトル、プラスチック容器包装類の資源化が大きく進むことが期待されています。

舞鶴市市民文化環境部
環境対策室 リサイクル事務所 所長
上枝 靖之
同所 管理係長
橋本 真二
同室 生活環境課 美化推進係 係長
井上 卓司
同係 主任
川北 大智
直接持ち込むリサイクルプラザの様子

直接持ち込むリサイクルプラザの様子

リサイクルプラザの収集されてきたPETボトル

リサイクルプラザの収集されてきたPETボトル

(左から)上枝氏、橋本氏

(左から)上枝氏、橋本氏

(左から)井上氏、川北氏

(左から)井上氏、川北氏

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