PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.37

新認定PETボトル再利用品のご紹介

技術検討委員会「中国・タイ PETボトルリサイクル技術調査」報告

 2017年12月末より実施されている生活系固形廃棄物輸入禁止措置により、日本から輸入した回収PETボトルを原料とする中国の再生事業者の原料調達状況や、日本の回収PETボトルのフローへの影響の考察を主要課題として、中国を訪問しました。また、輸入禁止措置により、使用済みPETボトルフレークの輸出先の1つとなったタイも訪問しました(2018年9月12日~19日)。
 中国では既存のガイドラインを基準に輸入が開始されましたが、厳しすぎるためすべて不合格。一部特例で輸入が認められている程度で、中国の再生事業者は輸入品を調達することができない様子でした。検査はフレコンバッグ毎に行われており、1サンプルでも不合格の場合は、コンテナすべてが不合格となります。中国の再生事業者は、きれいなフレークに限り輸入解禁になることを目指し国と交渉していますが、厳しい状況。輸入量の不足に対する処置は、稼働率低下、国内の使用済み繊維の調達、バージン材料を使用及び国内の使用済みPETボトル調達等で対応しています。このようにフレーク輸入が不透明な状況下、日本の回収PETボトルの利用事業者の中には、埼玉県の新工場にてAグレードフレークを製造し中国への輸出を開始している事業者もあります。更に、日本各地で新工場を稼働する計画もあります。
 中国の輸入禁止を受け急増したタイでも、ひどい汚れや電子ごみ等による住民の苦情を受け、中国と同様に禁止を発動し、2018年7月より使用済みPETボトルフレークの輸入量が激減しました。輸入ライセンスを継続して保有している一部の再生事業者は、輸入可能ですが、1年更新であり今後更新されるかは不透明とのこと。中国と同様に、きれいなフレークの輸入も禁止となったため、原料調達が困難となった企業が続出しています。タイでは回収のシステムが確立されていないため、輸入フレークを使用していた再生事業者は、国内調達に急に切り替えるのは難しく、また、調達できても国内品の品質があまりよくないなど課題は多い。このため、再生事業者はタイ工業省や天然資源・環境省に陳情も、状況の進展がなく、難航しています。
 このように、中国の輸入禁止後、国内外でリサイクル状況が急変していることから、今後も国内外のPETボトルリサイクル関連の情報を積極的に収集し、協議会活動に役立てていく予定です。

第14回中国国際リサイクル ポリエステル会議

第14回中国国際リサイクル ポリエステル会議

現地再生事業者訪問

現地再生事業者訪問

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