PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.36

再生樹脂利用事業者紹介

再生PETを使用した不織布の「エコナンバーカード」を開発

株式会社アクティブライフ

小型PETボトル解禁を契機に再利用品を開発

 ゼッケン・ナンバーカードの制作(印刷)販売や、マラソンの記録計測などを行う、株式会社アクティブライフ。創業者の大木会長がPETボトル再利用品の開発に取り組んだきっかけは、1996年に清涼飲料業界で小型PETボトル発売の自主規制が廃止されたことです。市中にPETボトルが溢れる状況になるかもしれない、何かリサイクル製品のアイディアはないかと知人から訊かれ、思いついたのがゼッケンでした。
 同社ではもともと布ゼッケンを取り扱っており、従来は手作業で行われていた名入れを、コンピューターから出力して転写するシステムを開発。さらに、プリンターで布に直接出力したいという発想から、不織布の取り扱いも始めました。しかし当時の不織布は、品質や価格の面で納得がいく素材とはいえませんでした。そこで、PETボトルをリサイクルした繊維を使って、理想に適う不織布のゼッケンを作れないかと考えたのです。
まずPETボトル再生繊維を探すのに2年かかりました。その後、湿式不織布を製造しているメーカーの新聞記事を見つけて連絡をとり、この繊維で不織布を作ってもらいたい、開発する際のリスクは自分が負うからと頼み込んで、何とか引き受けてもらいました。

エコナンバーカード発売から20年年間100万枚以上を販売

 1999年、再生PET使用の不織布でできた「エコナンバーカード」(当時は「エコゼッケン」)を発売し、同年にPETボトルリサイクル推奨マークを取得しました。「リサイクルの時代がくるだろうと思っていたし、グリーン調達の話も出ていましたから。マークのことをことを知って、PETボトルリサイクル推進協議会まで直接申請に行ったんです」と振り返る大木会長。
 印刷適性や耐用性のテストを重ねて完成した湿式不織布(再生PET使用率40%)は、水濡れや破れに強く、印刷した際の発色もよいのが特長です。また、同時期に別のメーカーと開発した、製法の異なる乾式不織布(再生PET使用率25%)も扱っています。
 エコな素材であることに加え、メーカーとの直接取引のため原価を抑えられたこと、印刷方法の工夫によって短納期・低コストを実現できたことから、エコナンバーカードは口コミで広がっていきました。2002年に(財)日本陸上競技連盟の推奨品に認定され、2007年には東京マラソンや世界陸上大阪大会でも採用されました。発売から20年が経ったいまも、マラソンやロードレースなど全国各地の大会から多くの注文があり、年間100万枚以上が使われています。

PETボトル再利用品を今後も意欲的に展開

 アクティブライフでは、エコナンバーカードの他にも、PETボトル再生材を使用したネームプレートや名刺、PETボトル再生材100%の印刷用合成紙(U-PET紙)などを開発・販売してきました。発想力と行動力を武器に、次のアイディアについても意欲的です。PETボトル再利用品市場の拡大に向けて、同社の今後の展開が注目されます。

(2018年3月13日取材)

再生PETを使用した不織布のエコナンバーカード

再生PETを使用した不織布のエコナンバーカード

(左)大木会長 、(右) 大木社長

(左)大木会長 、(右) 大木社長

会長
大木 節行
代表取締役社長
大木 隆弘

株式会社アクティブライフ

本 店:長野県諏訪市末広5番8号
TEL. 0266-52-3490

設 立:1983年

分別収集にご協力ください

TOP