PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.35

新認定PETボトル再利用品のご紹介

技術検討委員会「中国PETボトルリサイクル技術調査」報告

 PETボトルリサイクル推進協議会は、使用済み回収PETボトルの主要な輸出先である中国のリサイクル状況を継続的に調査しています。2016年度は、9月22・23日に上海で開催された第12回中国国際リサイクルポリエステル会議への参加に合わせ、日本からの回収PETボトルを輸入利用している主要なリサイクル事業者を中心に訪問しました。このなかで、今回初めて中国化繊工業協会・再生化繊委員会の要人と面談することができ、これらの取り組みにて、中国のPETボトルリサイクル事業の動向について多々知ることができました。
 中国では、PETボトル再生利用製品の大部分が短繊維で、従来はその大枠の中で3次元化や空洞繊維化などの高機能化が進められていましたが、この1~2年は、中国経済の成長鈍化を受けて、会社によっては工場稼働率の維持のためにローエンド品も積極的に受注する動きがみられました。その流れと関連しているかは不明ですが、上記の会議において、従来のPETボトルのリサイクルから、PET繊維のリサイクルに関連する技術やプロセスの紹介に重点が移っているようでした。
 一方、2016年度は中国の第13次五カ年計画の初年度ですが、とりわけPETボトルリサイクルの業界においては環境対応と一定以上の事業規模が明確な国家目標の一つとなっており、例えば廃水処理などの環境対応のできない中小の事業者は淘汰されていく方向性が明確に打ち出されています。この流れのなかで、処理設備を有し再生から繊維などの製品製造を手掛ける大手の事業者は、積極的に事業拡大を進める傾向がみられました。ちなみに、2015年度の再生PET繊維の生産量は前年より減少し530万トンとのことですが、2016年度は業界全体として回復基調になり、600万トン程度になる見込みとの情報を得ました。
 日本の使用済みPETボトルの再生-利用バランスに影響を与えかねない中国のPETボトルリサイクル状況については、今後も引き続き情報収集に努め、日本の適切なPETボトルリサイクル推進に活用していきたいと考えています。

林氏(中国化学繊維工業会副秘書長)を囲んで

林氏(中国化学繊維工業会副秘書長)を囲んで

第12回中国国際リサイクルポリエステル会議 風景

第12回中国国際リサイクルポリエステル会議 風景

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