PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.34

再商品化事業者紹介

PETボトルリサイクル専業の強みを生かして

株式会社タッグ

株式会社タッグ

〒981-0304 宮城県東松島市市川下字内響132番17
TEL.0225-86-1088(代表)

 株式会社タッグは、福島県いわき市のトラスト企画(株)、秋田県湯沢市の(株)湯沢クリーンセンター、福島県会津若松市の(株)ジーエスピーの3事業者によって、地域社会とともに創る資源循環型社会を目標に1999年7月設立されました。創立16年目を迎えた東北生まれ・東北育ちのPETボトルリサイクル専門企業として、2011年の震災以降も堅実に業績を維持し続けています。

大都市・仙台市のPETボトル消費を見込んでの創業

 1997年当時、仙台から出る大量のPETボトルを再商品化できる事業者が不足していたため、長年PETボトルを中心とした廃棄物のリサイクルに取り組んできた、福島県・秋田県にある3社が協力して設立の準備を開始しました。高速道路からの近さと冬場の降雪などを考慮し、東松島市のひびき工業団地を選定、そして1999年PETボトル専業の再商品化工場としての操業を開始しました。
 「工場の処理能力は1時間に2トン、24時間フル稼働すれば年間で14,000トンですが、現状は約7,000トンで、現在もこの数字をキープしています。しかし最近は軽量のPETボトルが主流となり、重さは変わらなくても本数が増え、処理の方法を変えたりと、実際の作業量は増えているのが現状です。」と伊藤氏。

コスト削減に挑戦

 創業当初から最も変わったことは物流です。当初は運送会社に委託し、東北6県から搬入していたのですが、距離が長く冬の凍結もあるという状況で運送コストが問題となりました。10年前に県内を中心とするエリアを設定し、100km以内は自社で搬入を行うことで物流コストを削減しました。

機械と人の力…工夫がすべて

 PETボトルは市民が資源物として分別排出していますが、自治体側が混合収集のため、いくら気を付けて回収し分別しても、Aランクのベールであってもガラスや缶などが混入してしまう事があります。
 ガラスの破片や缶などが紛れ込んでいることを前提に、前処理の段階で機械と人間のチカラを結集して、PETボトルに紛れ込んだ異物を取り除くこと、比重選別方式を工夫し、トロンメル(回転式振い分離機)で2回処理、ラインの乗り継ぎ部分で異物を落とし、更に人の手で選別したり…スタッフみんなでノウハウを共有し、異物の除去に日々創意工夫しています。
 「当社の強みは、再生工場の規模が大きくないことです。大量に処理するというノルマを追いかけるのではなく、再生資源から商品価値の高い製品を作ることに集中して、フレークの中に異物を残さないという事を実践しています。」

市場状況への対応

 昨年は入札後に、原油価格が下がったことで市場の混乱が発生しましたが、入札が年2回行われることは救いでした。関東と関西にある取引先は変わることがなく、また販売量もほとんど変わっていません。しいて言えば、「単繊維」「シート」「洗剤用ボトル」といった用途の生産比率が、短繊維が減って、シートと洗剤用ボトルが若干増えていることぐらいです。とにかく信用第一、お客様のニーズに応える品質の安定したフレークを製造し納品することです。

環境学習、そして地域との取り組み

執行役員 青山 美和

代表取締役 伊藤 晶康
執行役員 青山 美和

 毎年、仙台市と東松島市の小学校4年生の見学会を実施。自治体の学習要綱にも載っていて、環境学習の一環として活用されています。また、婦人会や老人会関連の見学会も盛んに行われています。  「私たちのような業態の企業は、エリアの中で関わっていけるのが理想だと感じています。これからも地元との関係を大切にしていきたいと思います。」

TOP