PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.33

ご挨拶

会長就任のご挨拶

PETボトルリサイクル推進協議会 会長 古塩 秀一

PETボトルリサイクル推進協議会

会長  古塩 秀一

 2015年6月、PETボトルリサイクル推進協議会会長に就任いたしました。当推進協議会はPETボトルのリサイクル推進を役割とし1993年に設立され、1997年「容器包装リサイクル法」のPETボトルへの適用を経て、関係する方々のご協力のもと着実に成果を上げてまいりました。現在、リサイクル率は3年連続85%越えを継続しており、リデュースとしての軽量化も14.1%(2004年度比)と確実に進展しております。PETボトルは、豊かで健康な暮らしを支え、安全・安心かつ利便性の高い商品の提供のため、まさになくてはならないものになっております。消費者の分別排出から始まる使用済みPETボトルのリサイクルシステムを円滑に発展させ、そのリサイクルの基盤を盤石なものにすることが必要です。現在、容リ法の二回目の見直し審議が行われ、さらなるPETボトルのリサイクル推進に邁進する時期となっており、2015年度を目標とした「第二次自主行動計画」の達成とともに、次の新たな目標を策定し、着実な活動を目指します。また、循環型社会形成のため、容器包装8素材の団体よって構成される3R推進団体連絡会の一員として、国、自治体、消費者、有識者などと情報・意見交換会の開催継続を通じ、各ステークホルダーとの連携を継続・深化させ、その連携強化に努めてまいります。

 関係する皆さま方のご指導を賜り、会員各位のご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

協議会の活動紹介

技術検討委員会中国PETボトルリサイクル調査

 PETボトルリサイクル推進協議会は、2014年9月16・17日に中国上海市で開催された10th China International Recycled Polyester Conference & Exihibition 2014への参加および中国PETボトルリサイクラーの訪問を通じ、中国におけるPETボトルリサイクルの動向について情報収集しました。カンファレンスでは、PETボトルリサイクル業界に対する中国政府の規制動向、機械メーカー、リサイクルメーカー、市場調査会社などからのプレゼンテーションを通し、貴重な情報収集を行うことができました。

 中国のPETボトルリサイクラー訪問では、PETボトルフレークを輸入し、それを繊維製品に加工し輸出する「輸入加工輸出」形態のリサイクラー3社と中国内需向けリサイクラー2社を訪問しました。中国のPETボトルリサイクル市場は、大幅な設備過剰問題をかかえており、倒産する企業も増えているとのことでした。中国政府としても、新設設備の規模や生産、エネルギー効率、環境対策などの規制を課し、設備過剰対策に取り組んでいます。設備過剰問題を抱える一方、原料であるPETボトルフレークは、使用済みPETボトルが有価で大半が回収されているにも関わらず、国内品のみでは需要を賄うことができていません。その結果、世界中から年間約200万トンのPETボトルフレークを輸入しています。日本から輸出されるPETボトルフレークは、品質の良さから高付加価値品を生産している「輸入加工輸出」型のリサイクラーが主に購入しており、多岐にわたる繊維製品として主に米国へ輸出されているとのことでした。しかし、昨年秋以降中国へのPETボトルフレークの輸出は鈍化しており、これが日本国内のPETボトルリサイクル市場にも影響を及ぼしています。こうしたことから、今後とも中国のPETボトルリサイクル調査を行い、日本のPETボトルリサイクルの推進に活用していきたいと考えています。

訪問した化学繊維工場内

訪問した化学繊維工場内

Lee社長(中央)Ou副社長(右端)

Lee社長(中央)Ou副社長(右端)

編集後記

 今号の特集では、石川教授からお話を伺いました。容器包装リサイクル法の見直し審議会の展開において社会全体のあるべき姿を念頭に置いた発言や議論を尽くすべきとのコメントを頂きました。また、第3次自主行動計画の数値目標はトップランナー方式で設定すべきとの貴重なアドバイスを頂きました。市町村紹介では、札幌市と神戸市の混合資源回収と市民への啓発活動を紹介しました。再商品化事業者紹介は、鉄鋼事業のインフラを利用したJFE環境(株)川崎PETボトルリサイクル工場と、再生原料の生産からカーペットの製造・販売までを行う一貫体制を確立した根来産業(株)三笠工場を紹介しました。再生樹脂利用事業者は店頭回収したPETボトルをリサイクルして商品化に取り組む(株)セブン&アイ・ホールディングスを紹介しました。各主体がそれぞれの立場で連携、協働して環境活動を推進しています。(T)

PETボトルリサイクル推進協議会 会員団体 一般社団法人 全国清涼飲料工業会 PETボトル協議会 一般社団法人 日本果汁協会 日本醤油協会 酒類PETボトルリサイクル連絡会

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