いち早く使用済みPETボトルの一貫設備を確立

　家庭用カーペットの生産に携わってきた根来産業株式会社（本社：大阪府堺市）は、オイルショックをきっかけに、原料として使用済みPETボトルやビデオテープの利用を開始し、1996年には、いち早く使用済みPETボトルの再生原料の生産からカーペットの製造・販売までを行う一貫体制を確立した会社です。「お客さまにご満足いただける製品をよりお求めやすい価格で」をモットーに、品質の向上とコストの削減を日々追求し続けたことで、現在では日本での折り畳みカーペットのシェア50％を超すまでに成長しています。

北海道三笠工場

　北海道三笠工場（北海道三笠市）は、寒い地域での需要が多いことから、カーペット製造施設として1990年に設立されました。2002年には一般廃棄物処理施設設置許可を受け使用済みPETボトルの再生事業の本格稼動を開始。2005年の国内でのカーペットの生産を終了と海外への生産拠点の移動にともない、使用済みPETボトルの再生事業に一本化しました。現在では27.6トン/日の処理能力を持つ施設として北海道の54市町村の使用済みPETボトルを処理しています。

　「大きな異物は見本一覧を掲示し選別し、小さいガラス片砂利などは細かいメッシュを通して除去していますが、多層構造のPETボトルは分離する設備がないため混入してしまう場合もあります。品質には問題はないのですが、色がついてしまったペレットは自社製品の濃色のカーペットに使用することで、無駄が出ないように工夫しています。」と三田工場長です。根来産業では、再生原料の約半分はカーペットに使用し、残りは、他の繊維やPET樹脂に再生されています。

環境の取り組み

　2013年には環境省が策定した、環境に関するガイドライン「エコアクション21」の認証を取得し、社員一丸となって環境負荷の削減と持続可能な循環型社会の形成に取り組んでいます。再生原料で作られたカーペット「地球への恩返し®」は根来産業の環境への理念や行動指針が盛り込まれた製品です。環境企業として積極的に努力し、リサイクル社会をリードする根来産業です。

　今後は使用済みPETボトル以外の廃材素材を利用した商品の実用化も視野に入れ、事業の多様化を行っていくとのことです。