PETボトルリサイクル推進協議会 広報誌 RING Vol.33

再商品化事業者紹介

PETボトルリサイクルを通じて
環境と調和した社会の構築を目指す

JFE環境株式会社
川崎ペットボトルリサイクル工場

〒230-0044
横浜市鶴見区弁天町3番地1
TEL 045-505-7949

JFE環境株式会社 川崎ペットボトルリサイクル工場

鉄鋼事業のインフラを利用した立地

 JFEグループは「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します。」の企業理念を掲げており、「JFE」には鉄鋼とエンジニアリングをコア事業とした「日本を代表する未来志向の企業グループ」(Japan Future Enterprise)との意味が込められています。JFEグループのリサイクル事業拠点は、北は仙台、首都圏では京浜・千葉、西は倉敷・福山の各地にあり、それぞれが製鉄事業のインフラを利用していることが特色のひとつとして挙げられます。

 JFE環境株式会社はJFEグループ企業として中間処理、リサイクル、収集運搬から環境コンサルティングに至るまで、廃棄物処理全般に関するトータルソリューションを提供しています。

 川崎ペットボトルリサイクル工場は2002年4月に操業を開始しました。同工場は東京ドーム117個分に相当する広大な敷地のJFEスチール東日本製鉄所京浜地区の中に立地し、使用済PETボトルをフレークとして再商品化している工場です。工場に入ると、回収されたさまざまなPETボトルやPETボトル再利用商品サンプル、大きな工程紹介パネルに出迎えられます。廃棄物処理法の許認可上の処理能力は1時間当たり2トン、1日24時間稼働で48トンであり、2014年度の使用済みPETボトル処理量は14千 トン弱の見込みです。

左より河﨑工場長、周藤氏

左より河﨑工場長、周藤氏

再商品化工程の特色と安全対策

 再商品化工程は原料中から異物を取り除く「前処理工程」、ボトルを粉砕しフレークにする「粉砕工程」、フレークを洗浄・乾燥する「洗浄・乾燥工程」、フレークをフレコンバッグに充填する「充填工程」の4工程から構成されます。同工場の特徴のひとつは、ボトルから分離・回収されたラベルを同じ敷地内にある製鉄所で製鉄原料としてリサイクルしていることです。また、洗浄工程ではアルカリ洗浄を行ない高品質のフレークが製造されています。4つの工程を経て再商品化されたフレークは全て国内に出荷され、繊維、シート、容器類などの原料として利用されています。

河﨑工場長 安定操業のため計画的に定修日を設け、粉砕機の刃物交換をはじめとする各設備の点検・メンテナンス・清掃などが実施されています。また、製品のロット管理によるトレーサビリティーが徹底され、出荷後の万一のトラブルにも対応できる仕組みが確立されていることも特色のひとつです。

 安全面に関しては、非常に高い安全・防災レベルが求められる製鉄所の中に立地していることから製鉄所内の工場と同じく厳しい規則・ルールが適用され、安全パトロールや防災訓練も計画的に行なっています。

 「バージンPET樹脂価格が大きく変動する中で、安定して使用済PETボトルを確保しフレーク製品をお客様へお届けするためには、きめ細かい需給管理と販売管理が欠かせません。」と河﨑工場長です。

安定供給のために

 JFE環境株式会社は首都圏という大消費地に近い立地を活かしながら、フレーク安定供給のためにスーパーなどの店頭から回収された使用済PETボトルの再商品化にも取り組んでいます。使用済PETボトルの店頭回収機は、異物(ラベル、キャップなど)を除いたボトルのみ受け入れるため高品質のフレークを製造できる反面、原料の形状や大きさが通常の原料と異なり、処理する上で工夫が必要です。そこで、さまざまな工夫を積み重ねながら処理ノウハウのブラッシュアップを進めています。

 「使用済みPETボトルは廃棄物として適正処理を行なう側面と、貴重な資源としてリサイクルしていく側面をもっています。われわれは国内循環というリサイクルの視点を意識しながら、お客様がご利用いただきやすいしくみ作りをさらに推進していく必要があると考えています。」と周藤部長です。

マテリアル本部京浜資源化部 ペットボトルリサイクル工場長 河﨑 健
マテリアル本部 京浜資源化部長 周藤 孝雄

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