RING PETBOTTLE RECYCLING

水平循環のメカニカルリサイクルを実現

ペットリファイン
テクノロジー株式会社

〒210-0867
神奈川県川崎市川崎区扇町12-2
TEL.044-355-9322

画像:代表取締役社長 中里 誠一 氏

代表取締役社長 中里 誠一 氏

市場への導入が進む「ボトルtoボトル」は、使用済みPETボトルを再び食品容器の材料として安心して使える再生法です。今回はこの再生法の一つ、ケミカルリサイクルに取り組むペットリファインテクノロジー株式会社をお訪ねして、中里誠一・同社社長にお話を伺いました。

“バージン樹脂同等の品質を持たせること”を基本に

—初めに、御社の概要からご紹介ください。

 ペットリファインテクノロジー株式会社は、PETボトルにおける完全循環型リサイクルの達成を事業目的として、2008年10月に設立されました。親会社である東洋製罐がかねてからのアルミ缶やスチール缶のリサイクルに加えて使用済みPETボトルについてもリサイクルしていくべきと考え、その手法としてはケミカルリサイクル法が最適と判断し、この地で使用済みPETボトルのリサイクルを行っていたペットリバース社の事業を継承したのです。
当社が製造するPET樹脂はバージン樹脂と同等の品質および衛生性を有しており、したがって当社の製品はそのままPETボトル用樹脂として問題なく使えるのです。もっとも、樹脂の用途をボトルに限定しているわけではありません。私共の再生樹脂はその品質優位性を生かし、成形加工品として求められる繊細な色・デザインを望みどおりに発現するとともに、いろいろな形状ニーズにも十分対応できます。
ちなみに、当社設備の使用済みPETボトルの処理能力は年間27千トン、再生PET樹脂の製造能力は23千トンで、2011年度の使用済みPETボトル処理量は25千トン弱でした。

いかにきれいなものにするかに腐心

—ケミカルリサイクル法の工程についても概要をお話しいただけますか。

 まずは、回収された使用済みPETボトルのベールから缶やびんを自動分離し、次いで粉砕・洗浄します。この際に、ベールに多少含まれているキャップやラベル、また色つきのPETボトルやPET以外の樹脂ボトルを事前に分離する必要はありません。こうした点も私共のシステムの大きな特徴の一つと言えます。できたフレークはBHETと呼ぶPET樹脂の原料に分解・精製しますが、この間に数段階の濾過工程を通すことでPET以外の異質材料や異物を除去し、活性炭を使ってさまざまな混入色素も吸着・除去します。さらに、微量の触媒金属も除去した高純度の原料としたうえで改めて重合し、PET樹脂に仕上げるのです。
 いかにきれいな原料BHETにするかが大きなポイントであり、その目的の達成のために私共では相当な資金を投入して設備を充実させてきました。したがって、現在のケミカルリサイクル製品には絶対の自信を持っています。

ポリエステル製品なら全て再生

—使用済みPETボトルだけでなく他のPET製品もリサイクルできるようですね。

 完全循環型リサイクル法ですから、ポリエステルが主成分の製品であれば全て再生PET樹脂にすることができます。PETボトルの場合も炭酸用とかミネラルウォーター用とかの種類を一切問わず全て処理できますし、また、さまざまなグレードも作れます。
 ただし、使用済みPETボトルが高騰しているので必要数量の安定確保は容易でありません。したがって、ボトルグレードを基本にしつつも、より価値の高い製品を安定した価格で提供できるような設備投資を計画し、このような創意・工夫によって、世の中の広いニーズに適合したより高度なリサイクル事業を展開していきたいと考えているところです。

市民や学生中心に多くの人が工場見学に

 一般市民や学生さんを中心に年間1500人ほどになります。私達のリサイクル事業の円滑な発展には、皆さんのご理解・ご協力が欠かせません。ですから見学希望はどんどん受け入れて、リサイクルシステムの内容をよく説明して理解していただくとともに、使用済みPETボトルの高価格問題なども含め率直なご意見を拝聴することにしているわけです。これはぜひ継続していきたいですね。

—本日はお忙しいところありがとうございました。

画像:左から伊藤氏・中里氏・熊谷氏

左から伊藤氏・中里氏・熊谷氏

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画像:左から原料粉砕フレーク・高濃度BHET・固相重合ペレット

左から原料粉砕フレーク・高濃度BHET・固相重合ペレット

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