RING PETBOTTLE RECYCLING

資源循環型社会形成を目指して~市町村紹介~

千葉県 船橋市

画像:千葉県 船橋市

1万7千ヶ所のステーション収集に変更。10倍の収集量に。

 千葉県の北西部に位置し、中核市最大の61万人の人口を擁する船橋市の、使用済みPETボトルが拠点回収からステーション収集に変更になったのは、2012年10月のことです。きっかけは周りのほとんどの市町村がステーション収集に移行し、市民や市議会からも要望があったことから。3年程の準備期間を設けた後に、市内100数十ヶ所だった拠点回収から、およそ1万7千ヶ所のステーション収集に変更されました。拠点回収時は拠点に持って行って出していただく以外は、可燃ごみとして排出されていた使用済みPETボトル。「資源として排出された結果、拠点回収時の収集量と比べておよそ10倍の収集量になっています。」と石田氏。現在、使用済みPETボトルはラベルとキャップをとってつぶして、ステーション収集用の緑の網袋に入れて排出されています。収集は週1回、単品でパッカー車を使用して行われています。
 ステーション収集に変更するにあたって、市では年に1回ごみ出しカレンダーを作成して自治会経由で各家庭に配布や、市内に24ある地区連絡協議会各会へ半年以上かけて説明に伺うなど周知に努めました。
 委託で行っている収集では車両を12台使用しています。パッカー車で圧縮しながら収集することで、一度に0.8トンの使用済みPETボトルを運ぶことが可能に。船橋市は道路上のステーションが多いため、パッカー車よりもスリムなロータリー車も使用し、狭い道路に対処しています。使用されるパッカー車は可燃ごみの収集に使用されている車両を洗浄し使用済みPETボトルの収集に充てる、収集コスト削減への工夫も行われています。
 収集された使用済みPETボトルは公益財団法人日本容器包装リサイクル協会へ全量引き渡されます。ベールの品質はAランクです。

船橋市の循環型社会形成へ向けた取り組み

 排出のマナーがまだ徹底していないため、啓発の余地がある船橋市。「若者の単身者への啓発については、新しくマンションやアパートが建つと、ごみ出しカレンダーや「リサちゃんだより」などのパンフレットで周知していただくようにご案内しています。」と金子氏。パンフレットは他にも公民館、出張所、市役所や船橋駅前の総合窓口など、町会に加盟していない人でもすぐに手に入る場所に設置されています。
 小学校4年生になると、「わたしたちの船橋」という副読本を使用した環境学習を実施。パッカー車を用いて市のごみの分別収集について体感してもらう学習方法を採っています。また、船橋市では、地元の自治会から推薦され市が任命するボランティアのスタッフ「廃棄物減量等推進員(クリーン船橋530(ごみゼロ)推進員)」の推進事業が1995年にスタートした他、「動く回覧板」と称される環境指導員の活用や、1981年以来「船橋をきれいにする日」の毎年の実施など市民、自治会・町会、企業、自治体が連携した取組みを積極的に行っています。

画像:左から金子氏・石田氏

船橋市環境部クリーン推進課 計画係長事務取扱兼主査 石田 晴彦
同課 まち美化・指導係 総括 金子 政雄

船橋ビン・カン・ペットリサイクルセンター

千葉県船橋市小野田町1531 TEL. 047-457-8120

 収集された船橋市の使用済みPETボトルは委託先である株式会社モリタ環境テックの「船橋ビン・カン・ペットリサイクルセンター」(以下、リサイクルセンター)へ全量搬入されます。リサイクルセンターではステーション収集への変更にともない、2012年に使用済みPETボトル専用の選別処理建屋を増設。以前は3,4人だった選別処理員を8人に増員し、処理能力を1日2.5トンから8トンに拡大、併せてベールのサイズも1m3の大きなサイズに変更しました。
 市内の小中学校の見学を受け入れているリサイクルセンターでは、見学コースとして手選別エリアを重要視しています。敢えて臭いや音を生で感じて欲しいという思いから、見学者通路と選別処理作業スペースの間にガラスなどの壁は設けていません。「手選別の苦労を知っていただいて、皆さんに家でしっかり分別していただきたい。多少なりとも啓発の一端に協力できれば。」と豊里氏。リサイクルセンターには2013年度は2133人の小学生が見学に訪れ、他一般の方を合わせると2400人程の方が見学に訪れています。

画像:株式会社モリタ環境テック 東日本営業部長 豊里 真実氏

株式会社モリタ環境テック
東日本営業部長
豊里 真実 氏

画像:分別収集にご協力ください

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