RING PETBOTTLE RECYCLING

資源循環型社会形成を目指して~市町村紹介~

埼玉県 川越市

画像:埼玉県 川越市

2010年から使用済みPETボトルを単品収集

 古くから交通の要所として発展し、現在では「小江戸」の別名で親しまれ埼玉県中西部地域の中心都市として発展を続ける川越市。使用済みPETボトルの収集方法が変わったのは、2010年4月に川越市資源化センターリサイクル施設が本稼働した時。新たな施設の稼働にともない市内の廃棄物処理施設が統廃合され、缶との混合排出から、使用済みPETボトル単品での排出に変更されました。収集は2週間に1回、およそ月2回収集されます。キャップ・ラベルを外して中身をすすいで、つぶして無色透明の袋または白色半透明の袋に入れて、ごみ集積所に収集日に出すステーション方式をとっています。
 単品収集になった2010年から、使用済みPETボトルの搬入量は増加しましたが、問題となるのは異物の多さです。2012年度分では1,148トンの搬入量のうち、359トン(31%)が異物(PETボトルの分別からはじかれたもの)となっています。「使用済みPETボトルの純度は上がってきているように感じますが、2010年まで缶と混合で排出していたためか、単品収集となった現在でも缶などの異物の混入は目立ちます」と増田氏。分別については、比較的都市部で行きわたりづらい傾向にあるため、適正に排出していただくため普及啓発に努めています。
 収集された使用済みPETボトルは東清掃センターで選別保管され全量公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に引渡しされています。2014年2月からは圧縮梱包機を1台増設して2台に。増設により350mlサイズのボトルもベール化の対象になりました。「小さいボトルが落ちないようにベールのバンドを7本に増やし、選別ラインの人数を増員するなど、現在は能力の実証確認段階にあり、今後は1.5倍程度の使用済みPETボトル回収量の増加を見込んでいます。」と林氏です。2012年度の実績ではベールの品質はAランクでした。

画像:2010年から使用済みPETボトルを単品収集

市を挙げて環境イベントを開催

 啓発施設である環境プラザ(つばさ館)では、川越市内から排出される資源ごみ(PETボトル・びん・かん・その他プラスチック製容器包装)を品目別に透明な円柱の中に詰めた巨大なエコタワーのインパクトある展示に出迎えられます。タワーには過去10年間に最も多く排出された量と前年度の排出量が比較できるような表示がされており、排出量の推移について実感することができます。他にも地球の環境問題について学べるクエストブックや3R体験コーナーなど五感を使いながら楽しんで学べる展示は、環境学習でプラザを訪れる川越市の多くの小学生や市民の皆さんに活用されています。2013年8月にはつばさ館で新たに環境配慮型製品や環境に関する取り組みを紹介する「エコプロダクツ川越」、11月には環境を身近に楽しみながら学ぶ「つばさ館まつり」など、市を挙げてイベントを開催しています。
 また、市の環境部では要請があれば小学校や自治会を訪れ環境問題の講座を開き、市民の意識の向上に向けて、環境をテーマとした出前講座を実施しています。

画像:PETボトルが詰まったエコタワー

市と地域を結ぶ、かわごえ環境推進員制度

 川越市には、循環型地域社会の形成と清潔な住みよい魅力ある地域づくりを推進するために、地域の実情にあった活動を目的とした、市長が委嘱するかわごえ環境推進員制度があります。任期2年の推進員は現在約870人。その推進員の資質向上と情報交換の場が、かわごえ環境推進協議会です。協議会では推進員によるリサイクル施設の見学や、こどもとの清掃活動など、より良い地域づくりのため市と協力した取り組みを行っています。「現場を見ていただくことでより説得力のある説明につながれば」と協議会の事務局も担当されている波田野氏でした。

画像:左から波田野氏・増田氏・林氏

環境部資源循環推進課減量リサイクル担当 副課長 波田野 泰弘
環境部環境施設課 主任 増田 貴
東清掃センター 主査 林 幹章

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