企業理念は
「Otsuka-people creating new products
for better health worldwide」

　大塚製薬株式会社は1921年創立された大塚製薬工場の中核企業となるべく1964年に設立。以来医薬品事業や日々の健康維持を目指すニュートラシューティカルズ事業のコア事業として今日に至っています。企業理念は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」。自分たちの手で独創的な商品をつくる、健康に役立つ、世界の人々に貢献するという思いが込められています。
　訪れた袋井工場は1996年５月竣工、従業員は87名。大塚製薬株式会社の主力商品のひとつであるポカリスエットを主に製造する３工場のなかで、東京から大阪までのエリアの供給を担っている工場です。

PETボトルの軽量化に
国内初の陽圧無菌充填方式を採用

　ポカリスエット500mlのＰＥＴボトルが軽量化されたのは、2007年。環境に配慮した地球にやさしいものづくりを目指したいという思いから、３Ｒのリデュースに着目した結果、国内初の陽圧無菌充填方式を採用。ＰＥＴボトルに常温のポカリスエットを充填し、キャップを締める直前に窒素を充填、内部を陽圧にするというもの。この方式だと高温に耐えうる硬さや厚みのある容器が必要ないので、薄いＰＥＴボトルを使うことができます。完成したＰＥＴボトルはエコボトルと呼ばれ、飲む前は固く、キャップを開けるとボトルが手に馴染みしなやかな感触に変化し、飲み終わった後は小さいお子さまにも簡単につぶしやすいように加工されています。
　従来の四角いボトルが丸いエコボトルへ変更され27ｇあったボトルは当時国内最軽量の18gとなり、容器を約30％軽量化することを実現。500mlに続き900mlも2009年に軽量化された丸ボトルへ変更されています。500mlポカリスエットの軽量化によるＰＥＴボトル樹脂削減量は１年間で３工場合わせて2,700トン。原油に換算すると4,000kL、CO₂に換算すると8,300トンの削減になります。
　こうして完成したエコボトルは2007年度容器包装3R推進環境大臣賞「最優秀賞」を受賞しました。
　ボトルの軽量化の後、ラベルの変更に着手。それまでの熱を必要とするシュリンクラベル方式からロールラベル方式となったことでCO₂排出量を削減しています。

袋井工場の環境対策

　大塚製薬株式会社では廃棄物や副産物を資源として再利用し、廃棄物を出さない生産を目指す取り組み「ゼロエミッション」を実施。廃棄物の分別の表を作り社員へ普及啓発することで、袋井工場では2010年から目標の再資源化率99％を達成。現在ではおよそ30種類に分別されています。また、環境管理責任者の事務局を中心に月１回の環境保全委員会を開催。2004年に取得したISO14001に則ってエネルギー使用機器の環境設計要求設定に関するマネジメントプログラムを作成し、環境対策の進捗状況を議論し合う場を設けています。

緑化活動と社会貢献

　広大な芝の斜面をはじめ敷地の36.6％が緑化されている袋井工場。この景観の維持管理には草抜きや落ち葉拾いなど社員ができうる範囲での環境に優しい緑化活動を実施し、薬剤の使用削減に取り組んでいます。また、袋井市とは社会貢献の一環として環境保全協定を締結し、市の清掃活動・遠州の花火大会などのイベント時にはボランティアとして積極的に参加。駐車場を解放するなど協働した取り組みが行われています。
　工場見学には昨年度は13,000人の幅広い年齢の人々が訪れポカリスエットを通じて３Ｒの大切さを学んでいただいています。
　盛んな緑化活動と地域への貢献が評価され、袋井工場は2011年度に緑化優良工場等経済産業大臣表彰を受賞しました。
　袋井工場は夏が勝負。「愛嬌」。真夏の炎天下でもひるむことなくその色を溢れさせている元気な樹木の花言葉から、現在新たな取り組みとして真夏に長く花を咲かせる百日紅を袋井工場で植樹しています。最盛期を迎える夏、白と薄紫の大塚カラーに近い花が多くの人の目を楽しませることでしょう。景観が華やぎ袋井工場の緑化活動がますます前進です。

<概要データ>

大塚製薬株式会社 袋井工場
〒437-0031 静岡県袋井市愛野2402-1
TEL.0538-44-2211