RING PETBOTTLE RECYCLING

資源循環型社会形成を目指して~市町村紹介~

愛媛県 松山市
さらなるリサイクル率や品質向上へ、
使用済みPETボトルの単独収集を開始

画像:PETボトルのベール品 迫氏 稲田氏

 小説「坊ちゃん」などの舞台で知られ、また道後温泉をはじめとした温泉地としても有名な松山市は、四国で最も人口が多い約52万人の旧城下町です。
 さらなるリサイクル率や品質の向上のために使用済みPETボトルの単独収集が始まったのは2011年4月から。それまではプラスチック製容器包装として混合収集され中間選別時に分けられていましたが、社会実験やその後アンケート調査を行い、市内におよそ約6,000ヶ所あるごみ集積場所での月2回の単独収集に変更しました。

ベールの品質がDランクからAランクへ

 使用済みPETボトルはキャップを取ってラベルを外して、すすいでつぶして出すようにお願いしています。(「つぶす」ことに関しては任意としています。)「PETボトルの分別には、理解を得るために住民の方々への丁寧な説明が必要でした。」と担当の稲田氏。2010年12月から始まった地域住民への説明会は、通算でおよそ300回にも上ります。また、きちんと分別されずに出されている場合は収集せず、「ごみ分別啓発シール」を貼り、再分別を促しています。2年経った現在ではほぼ適正に出されるようになり、分別収集が始まる前はDだったベールの品質が2011年度にAランクとなり、市民の分別意識の向上が目に見える形となって表れています。収集された使用済みPETボトルは全量指定法人ルートでリサイクルされています。

 松山市で収集された使用済みPETボトルの中間処理は民間の2社に委託し、選別処理されベールで保管されています。そのうちの一社、松山容器株式会社を訪れました。ストックヤードに回収された透明な使用済みPETボトルが一時保管されていました。「きちんと分別されているのといないのとでは全く違います。」と課長の天野氏。ラベルが剥がされていることで異物が見つかりやすく、また、キャップが取られていることでベールのまとまりが良いとのこと。分別の大切さを改めて感じました。

画像:回収した使用済みPETボトル

回収した使用済みPETボトル

環境学習と普及啓発

 市民への啓発活動として清掃課では小学校4年生を中心にごみの出前授業を実施しています。案内のポスターを作成して教員の集会などで配布し、依頼のあった小学校に出向いて、分別やリサイクルなど3Rの基本についての講座を設けています。2012年度には22校で行われました。
 新しい取り組みとして、若者への分別意識の普及へ向けて、市内にある大学のホームページの学生生活コーナーに、市の分別方法のホームページへのリンクを貼る作業を進めています。すでに実施済みの大学もあり今後の展開に期待がふくらみます。
 また、市内に2ヶ所あるクリーンセンターの施設見学も行っています。2013年4月からは老朽化した松山市西クリーンセンターに代わり、最新鋭の松山市新西クリーンセンターが稼働し、新しい環境学習の場が誕生しています。
 新たな取り組みを始め、新しく学習の場もできた松山市。さらなるリサイクル率、品質の向上へと着実に動き出しています。

画像:市内小学校でのごみの出前授業 子どもたちからのお礼の手紙

松山市環境部清掃課 主幹 稲田 靖穂
同課家庭系ごみ減量・リサイクル担当 主任 迫 裕美   

[見学ご案内]松山容器株式会社環境営業部 営業課長 天野 隆章

画像:分別収集にごご協力ください

画像:分別収集にごご協力ください

TOP