千葉県内で市原市のリサイクル率に遅れが出ている状況を改善したいという考えから、2012年10月から従来市内36ヶ所の拠点回収のみだった、使用済みPETボトルの回収方法を変更。新たに約7,600ヶ所のごみステーションでも、資源物としての分別収集を開始しました。収集方法の変更にともない、資源物の収集日を増やし月2回から週1回に。ステーション収集では、市から支給された0.3m3ほどの青いネットに、キャップ・ラベルを外し、中を洗い、乾かしてつぶして出すようお願いしています。
資源物として使用済みPETボトルをごみステーションに追加した効果は大きく、昨年同月と比べて10月から1月の使用済みPETボトルの拠点回収量34.4トンだったものが、2012年度は拠点回収とステーション収集を合わせて136.5トンと大幅に増加し、およそ4倍になりました。拠点回収分は市が回収して、ステーション収集は委託した収集業者にお願いしています。
拠点回収
市民の協力を得て収集された使用済みPETボトルは、福増クリーンセンターで一時保管され、中間処理施設へ運び入れるためパッカー車に積み替えられます。一時保管所に回収された青いネットに入った使用済みPETボトルはキャップもラベルも付いていないものがほとんどで、市原市民の分別の大切さと環境への思いが感じられます。ごみステーションでの収集方法が変わることを、市民、特に町会に向けて出前講座を実施。また、直前の9月の土日にはスーパーの協力を得て入口でチラシやごみカレンダーを配るなど周知に特別な期間を設けました。スーパーでの配布では町会に入っていない、特に若い世代に効果があった様子です。目下の課題は夏期の収集。「今までの拠点回収では夏期は回収量が増えています。収集体制の変更で回収量が増えた上に季節柄増える、この相乗効果は経験していないので、今年の夏を無事乗り切れたらと思います。」と小林氏です。
2012年10月にスタートしたばかりで指定法人ルートは実績数量が必要なため今年度は、ステーション収集分は独自処理となっています。国内循環ということを最大限考慮して「国内で再生され、輸出は一切しないように、国内再生処理を」という条件を付け入札を行っています。また、再生品の行先は実際に加工現場に出張して確認しています。拠点回収分については従来とおり日本容器包装リサイクル協会に引き渡されて、2012年度のPETボトル調査結果ではAランクです。
福増クリーンセンターでは2011年度で小学校の見学が31校、1,616名、一般の見学が20件183名の受け入れがありました。千葉県の浄水場と隣接しているため、2ヶ所を合わせた見学が盛んです。クリーン推進課でも小学校4年生を主な対象に、出前講座を行っています。小学校や町会・保育所への使用済みPETボトルをはじめ、「ごみの減量とリサイクル~身近なことから始めよう~」と題した出前講座は、2012年度は年19回。その他に出前講座とは別に、10月からごみの収集方法変更に関する説明会を加えると40件ほどになります。
「収集体制の整備が遅れていた市原市ですが、他市の取り組みを参考に、なお一層のごみの分別を進めていきたいです。」と佐久間氏。リサイクル率の向上を目指して、大きな一歩を踏み出した市原市です。
子どもたちからの感謝の手紙
市原市役所 環境部クリーン推進課850・リサイクル係 係長 佐久間 千賀子
主事 坂本 匡央
福増クリーンセンター施設管理係 係長 布施 健二
技師 小林 貴文
(取材当時)