RING PETBOTTLE RECYCLING

会員企業訪問

宝酒造株式会社 松戸工場

自然と社会と人間との調和を目指す、環境活動の草分け的存在

画像:宝酒造株式会社 松戸工場

江戸天保期、京都伏見で創業した宝酒造株式会社。その老舗酒造メーカーの中で、最大の生産量を誇るのが松戸工場です。1964年、それまでの王子工場と市川工場を集約し、「宝焼酎」と「酒類用アルコール」を主要製品として、操業を開始しました。宝酒造では最大で、国内でも有数の蒸留能力をもつ最新鋭の連続式蒸留機を所有。品質にこだわりながら165,000kℓの酒類製品を製造し、全国各地のお客様へお届けしています。

画像:写真左から吉濱氏、渡辺氏、松永氏

↑写真左から吉濱氏、渡辺氏、松永氏

制服の右腕についている →
PETボトルリサイクル推奨マーク

画像:PETボトルリサイクル推奨マーク

企業による自然保護活動支援の先駆け

古くから自然を大切にしてきた宝酒造では、1979年、北海道の豊平川にサケを呼び戻そうという市民活動「カムバックサーモン運動」に協力。企業の自然保護活動支援の先駆けとなりました。以来、各地でさまざまな活動を支援しています。
また、経済活動の成果を表す「黒字」「赤字」に対し、宝酒造では環境活動の成果を「緑字決算」として独自に数値化し、1998年から公表。企業がISOに取り組み始める以前から、自社の環境活動を明らかにしてきました。
松戸工場では、製造工程で出る“酒粕"や“みりん粕"を動物の飼料として活用。また、場内全てのボイラーの燃料を、2006年より重油から天然ガスに転換。さらに、排水処理設備の汚泥を乾燥させて粉末にし、肥料として販売するなど、環境活動に積極的に取り組んでいます。

自主設計ガイドラインに準拠した酒類PETボトルへの取り組み

宝酒造が酒類PETボトルを扱い始めたのは、1985年。焼酎の大容量化をPETボトルで実現したのが始まりです。強度、持ち運びやすさ、注ぎやすさを考え、取手つきでスタートしました。
その後「指定PETボトル自主設計ガイドライン」が制定されたことにともない、1998年に、酒類業界としては初めて同ガイドラインに完全準拠したPETボトルを開発。2.7ℓのボトルは取手をなくし、4ℓのボトルは取手をP E T 樹脂に変更。また、ラベルもはがしやすいものに切り替えるなど、リサイクルのしやすさを向上させました。変更の際には、資材メーカーと緊密な連携を図り、強度テストや輸送テスト、実際にお客様に使っていただくユーザーテストなどを積み重ね、万全を期しました。

4Rとして、「焼酎のはかり売り」を推進

宝酒造では、3Rにリフューズを加えた4Rに取り組んでいます。リフューズ、つまり空容器の発生回避のための手法は「焼酎のはかり売り」。工場は、焼酎を200ℓ、1kℓの専用タンクに入れて販売店に直送。お客様は、家庭にあるPETボトルなどの空容器を持ってきて、販売店が容器を洗浄。お客様はその容器に必要な分だけ入れて購入するという、酒類の昔ながらの販売手法を現代的にアレンジしています。1998年にスタートしたこのシステムは「容器のごみが出ない」「欲しい量だけ購入できる」と、お客様から好評いただいています。現在では、協力店舗が全国約200店舗にまで拡大。この取り組みによって削減できたPETボトルは、2.7ℓボトル換算で累計659万本にまで達しました。また、段ボールも約165万枚節約することができています。

画像:工場内を見学するRING編集委員

工場内を見学するRING編集委員

宝酒造の原点、「宝」は「田から」

古くから、自然が育んだ田畑の恵みを「宝」としてきた日本人。その字を社名に冠した宝酒造では、小学生のお子様のいる親子を対象に、自然の恵みといのちのつながりを学ぶ「田んぼの学校」を2004年より実施しています。
参加者は、自分の手で苗を植え、草をむしり、稲穂を刈り取って収穫したお米(もち米)が“おもち”や特製本みりんになるまでを体験。でき上がった特製本みりんは、子供たちの手描きのオリジナルラベルを貼った壜に詰められ、参加者のもとにお届けします。2010年までは千葉県の田んぼと松戸工場で実施していましたが、現在は本社のある京都で実施しています。移りゆく季節に応じて、変わっていく田んぼまわりの自然環境を観察して目を輝かせる子供たち。「参加した子供の笑顔に、私たちが感動するんですよ」と語る人部氏。
工場で働く皆さんの制服の右腕には、PETボトルリサイクル推奨マークが輝いていました。

画像:人部氏

人部氏

松戸工場 執行役員 工場長 渡辺 酉造
松戸工場 工場管理部長 松永 正樹
松戸工場 生産技術部長 吉濱 義雄
環境広報部 副部長 人部 恭造

<概要データ>

宝酒造株式会社 松戸工場
〒271-0052 松戸市新作字高田111番地 TEL. 047-362-0261 FAX. 047-361-1600

操業開始

:

1964年6月

敷地面積

:

130,541m2

年間生産量

:

165,000 kℓ

生産品目

:

焼酎、チューハイ、本みりん、清酒、梅酒、ウイスキー、ブランデー、酒類用・工業用アルコール

TOP