RING PETBOTTLE RECYCLING

資源循環型社会形成を目指して~市町村紹介~

福岡県 久留米市
市民一人ひとりがつくる「ずっと暮らしたい、心地よいまち」

画像:【写真上】中間処理施設で手選別 【写真下】ラベルについて話す中山氏(中央)

【写真上】中間処理施設で手選別
【写真下】ラベルについて話す中山氏(中央)

画像:ベール品

ベール品

画像:回収したPETボトル

回収したPETボトル

みんなのまちは、みんなでつくる

「ごみ一つ落ちていないきれいな街並み。」久留米市を訪れた時の最初の印象がそれでした。よく見ると、表通りから裏通りに至るまで、街の清掃が行き届いていました。事情を聞くと、「クリーンパートナー制度」といって、町内会や学校、事業所などとタッグを組んで、自分たちの住む地域を自分たちで清掃するという運動の成果とのこと。要望があれば、“自分たちの担当区域”がわかる立て看板も市が費用を負担して立て、市民の環境に対する意識の向上を促しています。
久留米市の方針は、「みんなのまちはみんなでつくる」こと。どんな方法も、役所からではなく、地域のみなさん同士で話し合って解決していきます。特にごみ問題には、それが顕著に表れていて、例えば、ごみ集積所では、立ち当番や分け方・出し方の啓発などを利用者が管理しますし、ごみ集積所の管理指導や現場での分別指導は市民の中から任命を受けた、“廃棄物減量等推進員”が行っています。また、この推進員も、「まずは出す人の意識から変わらないといけない」とのことから、集積所での分別指導だけでなく、間違った分別をしてくる人に、自宅でできる正しい分別方法などを伝えるようにしています。

さらに品質の高いPETボトルの回収に向けて

久留米市では、合併以前から旧久留米市と周辺4町は使用済みPETボトルの回収を行なっていました。回収量は、2010年度で408トン。専用の回収容器で月2回、回収しています。処理施設や方式が違うので、回収日や回収方法は、それぞれの地域で合併前の方法を踏襲しました。
回収容器で、PETボトルを単品収集しているため、比較的きれいなPETボトルが集まりますが、選別で困っているのが、販売事業者のキャンペーンシールやお店のテープなどが本体に直接貼りつけられているPETボトルです。はがすのが困難なことが多く、リサイクルできなくなる場合もあります。
また、引き取り基準の改正により指定PETボトルの品目が拡大したことで、調味料用でリサイクルできないものや、外国製のPETボトルなど、さまざまなボトルが混入してわかりにくいことなどから、久留米市ではリサイクルできるPETボトルの見分け方の市民啓発や選別の向上を図るため、市民のみなさまにはラベルを付けたまま出してもらっています。
「ラベルがなくてもPETボトルを正しく分別していただけるように、啓発していきたいですね。」と中山氏です。現在、PETボトルのベール品はAランクの評価ですが、さらに高品質な、“ラベルのないベール”には、まだ課題が多いようです。

ずっと暮らしたい心地よいまちを目指して

大事なことは、まず市民のみなさまに“知ってもらうこと”。市では、さまざまな環境イベントを通じて、市民のみなさまに環境を意識してもらうよう取り組んでいます。毎年6月に開催される環境フェアや、月1回の「宝の市」でのリユース品の展示・販売。
加えて2011年からは、各地域の環境衛生連合会主催の3Rイベントが活発で、廃棄物減量等推進員も参加し、分別パネルの展示や体験学習が行われています。

こうした啓発の中で最も活躍するのが“PETボトル”とのこと。どのように分けて、リサイクルされているのか説明しやすく、市民のみなさまの理解も早いそうです。「みんなのまちをみんなでつくる」ために、さまざまな取り組みを企画・実行している久留米市。「したいこと、しなくちゃいけないことはまだまだありますよ」と岩本氏。「ずっと暮らしたい心地よいまち」のため、市民、事業者、行政の関係を大切にしています。

画像:左から坂本氏、岩本氏

左から坂本氏、岩本氏

久留米市環境部環境政策推進課 課長 坂本 豊信
同課 主任主事 岩本 豊
業務課 課長補佐 中山 博文

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