[写真左]金沢市の啓発資料[写真右]PETボトルの分別
加賀百万石の城下町として栄え、今なお歴史的な風情が残る、石川県金沢市。全国有数の観光都市として栄えてきた市の人口は約46万人。石川県全体のほぼ半分の人口が集まる中核市です。PETボトルの分別収集は、平成7年のモデル地区から開始。平成11年より全市での回収をスタートしました。現在は月2回ステーション回収を行っています。昔ながらの町並みが残る市内は、細い路地など、車が入れない場所も多く、回収しづらいところもありますが、職員たちの創意工夫によって対処しています。
回収したPETボトルは市内2ヶ所にあるリサイクルプラザに運ばれ、ベール化されます。市ではキャップを必ずはずすよう啓発していますが、ステーションから回収したPETボトルには、まだキャップが付いていることがあるとのこと。しかし、自己搬入で市民が直接運んでくるものは、キャップもラベルも付いていないきれいなPETボトルがほとんどです。「全てこのようなきれいなPETボトルで出していただけると良いですね」と中田所長。
また、現在、中間処理の現場で困っているのが、輸入品の白く着色されたPETボトルです。「今は、手選別や収集の段階で取り除いていますが、他のPETボトルと同じく識別表示マークが付いているので、違いを市民に説明するのがなかなか難しいです」と福田所長。
市では、一人1日53gを目標に、ごみ減量を呼びかけています。きちんとした分別でごみを減らすため、パンフレットや分別収集カレンダーのほか、自分の地域のごみ収集日を知らせるサービス「ごみゼロドットコム」による、メール配信も行っています。また、市と市民が協働で3Rハンドブックを制作し、市民のみなさまがわかりやすい3Rの啓発を行っています。そのかいもあり、近年は一人あたりのごみ排出量が減少傾向にあります。
こうした、ごみ減量・リサイクルを推進し、市民・行政・事業者が力を合わせて取り組んでいこうという市民本位のボランティアネットワークが、「金沢53ダイエット・ネットワーク」です。市民や事業者との情報共有・連携など「知らせる・つなげる・試みる」をキーワードに活動しています。
学生連絡会「もったいないぞいや 金沢学生“GOMITOMO”」もその取り組みの一つ。市内10ヶ所の大学・短大の学生が、ごみの減量、学生向けのマナーについて考え、それぞれの学内で「ごみ」に関する意識拡大のための活動を行っています。
市民・行政・事業者が、それぞれの立場で3R推進に取り組んでいる金沢市。そうした、一人ひとりの思いやりが歴史ある美しい街並みを今日も守っています。
左から福田氏、中田氏
金沢市環境局リサイクル推進課
3R推進グループ担当課長補佐 浜崎 泰彦
主任主事 坂 渉
金沢市西部リサイクルプラザ 所長 福田 重成
金沢市環境局西部管理センター 所長 中田 久志