■繊維、シート、成形品などとして、用途・数量とも拡大  
   マテリアルリサイクルされた再生PET樹脂および再生PETフレークはバージン樹脂の代替、他のプラスチック樹脂(塩ビ、ポリプロピレン、ポリエチレン)の代替として使用されています。用途としては、繊維、シート、成形品などに使われています。
 もともと、PET樹脂は繊維用に開発された樹脂(ポリエステル)であり、再利用品は最初に繊維で始まりました。その後、シート、成形品へと用途が拡大しています。
 2002年度以降は、マテリアルリサイクルだけでなく、原料モノマーに戻して再利用するという化学分解法などによる需要先の拡大も見込まれています。
 
 1.繊維
   繊維には短繊維と長繊維があります。再生PET樹脂は、主に短繊維として使われ、ふとん綿やカーペット、不織布(自動車内装材など)に使用されています。
 その他の用途では、衣料用で制服・作業服、家庭用・インテリア用ではカーテン、産業用では遮水シートなどに使用されています。2001年4月に施行されたグリーン購入法に制服・作業服、作業手袋、カーペット、カーテン、毛布が指定されたことにより数量が増大しています。
 また、これまで再生PET樹脂の使用は難しいとされていた長繊維でも、ベール品の品質向上および再商品化施設の工程改善により、一部(ネクタイなど)で使用され始めています。
 
 2.シート
   シートはポリスチレン、塩ビ、PETなどのプラスチック樹脂を薄く板状にし、後加工をほどこして多種類の容器などに使用されています。
 塩ビの代替材として、スーパーで販売されている鶏卵パックなどで再生PETフレークが使用され、数量が増大しています。ほかにも、フォルダー・ファイルや果物用仕切トレー、遮水シート、PETバンドなど幅広い用途に使用されています。
 
 3.成形品
   射出成型という成型方法で多種多様な製品が作られています。材料は主にポリプロピレン、ポリエチレンというプラスチック樹脂が使用されていますが、その代替樹脂として再生PET樹脂が使用され始めています。
 用途としては文房具、PETボトル用陳列トレー、下水道のふた、あき容器回収ボックス、非食品用ボトルなど多岐にわたっています。
 
 4.その他
   塗料原料の一部として使用され始めています。  
  再利用品の需要実績と見通し  
 
単位:トン カッコ内は構成比(%)
  需要実績 需要予測
1997年度 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度
フレーク

ペレット
繊維 6,077
(73)
16,895
(71)
25,188
(64)
38,317
(56)
56,661
(52)
70,000
(47)
80,000
(50)
90,000
(48)
シート 1,112
(13)
5,218
(22)
11,450
(29)
23,407
(34)
40,082
(37)
40,000
(27)
40,000
(25)
50,000
(27)
ボトル 756
(9)
211
(1)
179
(0)
326
(0)
290
(0)
200
(0)
200
(0)
200
(0)
成形品 366
(4)
1,265
(5)
2,530
(6)
3,802
(6)
8,902
(8)
8,800
(6)
8,800
(5)
8,800
(5)
その他 87
(1)
320
(1)
258
(1)
2,723
(4)
3,255
(3)
3,000
(2)
3,000
(2)
3,000
(1)
原料 ボトルto
ボトル
− 
28,000
(18)
29,000
(18)
36,000
(19)
ボトルto
ボトル以外
合計 8,398
(100)
23,909
(100)
39,605
(100)
68,575
(100)
109,190
(100)
150,000
(100)
161,000
(100)
188,000
(100)
(出所) 1997年度〜2001年度は(財)日本容器包装リサイクル協会。
2002年度〜2004年度はPETボトルリサイクル推進協議会による推定。
 
  PETボトルの多様な再利用品  
 
※ここに紹介している製品は、PETボトル協議会が「PETボトルリサイクル推奨マーク」の使用を認定した再利用品です。このマークを目印に、PETボトル再利用品の積極的なご利用をお願いいたします。
 
 繊維
 
制服   作業服   作業手袋
カーペット 毛布 カーテン
 
 シート
 
フォルダー・ファイル 果物用仕切トレー
遮水シート   PETバンド
 
 成形品
 
ボールペン PETボトル用陳列トレー
下水道などのふた あき容器回収ボックス