7 水平リサイクル

2030年度までにボトルtoボトル比率50%を目指す
2022年度ボトルtoボトル比率は29.0%

ボトルtoボトル

2004年4月にケミカルリサイクルのボトルtoボトル製品が上市され、その後2011年5月にメカニカルリサイクルのボトルtoボトル製品が上市されました。

ケミカルリサイクルとは、化学分解により中間原料に戻した上で再重合する方法で、新たなPET樹脂をつくります。これに対し、メカニカルリサイクルは高洗浄による異物の除去や高温下での除染などの物理的処理を経てペレット化する方法です。

ボトルからボトルへ再生する水平リサイクルであるボトルtoボトルは、資源の有効利用やCO2排出抑制の点からも理想的なリサイクル手法です。

2021年4月(一社)全国清涼飲料連合会が「2030年ボトルtoボトル比率50%宣言」を発表、推進協議会も同じ目標を掲げ取り組んでいます。

ボトルtoボトルリサイクルは169千トン

2022年度のボトルtoボトルリサイクル量は、169千トン(前年度比43.5%増)でした。国内で販売された指定PETボトルに対するボトルtoボトル比率は、29.0%(前年度より8.7ポイント増)となりました。

図12.ボトルtoボトル比率の推移

ボトルtoボトル比率の推移

拡大

2022年度は新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう経済低迷から回復傾向にあり、ボトルtoボトルリサイクル量および比率の増加は、飲料メーカーの積極的な取り組みとそれに追従した再生処理事業者の設備増強と新規参入による生産能力の増大によるものです。大手再生処理事業者の西日本での新工場稼働も控え、ますますボトルtoボトルリサイクルが推進されると考えます。

ただし、回収された使用済みPETボトルに汚れボトルや異物が混入していると再生PET樹脂を製造する際に作業効率の低下や廃棄物が増えることから、質の良いPETボトルの回収が必要です。特に自販機からなどの事業系回収PETボトルの品質向上が課題となっています。

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