6 Recycle(リサイクル)

使用済みPETボトルのリサイクル
(1)2022年度リサイクル率は86.9%

目標「リサイクル率85%以上の維持」を達成

2022年度の国内の指定PETボトルの販売本数は輸入製品も含め前年度より6億本増の254億本となり、分母となる指定PETボトル販売量は前年度より2千トン増の583千トン(前年度比0.3%増)でした。一方、分子となるリサイクル量は、国内再資源化量414千トン(前年度比9.8%増)、海外再資源化量92千トン(同24.8%減)にて合計で506千トン(同1.4%増)でした。

その結果、リサイクル率は86.9%となり、前年度に続き85%以上の目標を上回ることができました(図3)。

図3. 回収・リサイクルの概要

回収・リサイクルの概要

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国内循環へシフト

中国の廃棄物輸入禁止は2018年から継続しており、使用済みPETボトルの輸出量の減少により海外再資源化量は年々減少傾向にあり、リサイクルの国内循環へのシフトが進んでいます(図4)。

図4. 国内再資源化と海外再資源化

国内再資源化と海外再資源化

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世界最高水準のリサイクルを維持

日本のリサイクル率は欧米と比較すると、引き続き世界最高水準を維持しています(図5)。

図5. 日米欧のPETボトルリサイクル率の推移

日米欧のPETボトルリサイクル率の推移

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回収・リサイクルに関する推進協議会調査の強化

回収量調査にあたって、市町村回収については、環境省発表の速報データを使用するとともに、使用済みPETボトルの回収・再商品化を行う事業者へのアンケート調査を行い、国内リサイクル向けの回収量を集計しています。

また、輸出量調査にあたって、使用済みPETボトルのフレーク品については、財務省貿易統計値を使用しています。別途、PETくず輸出事業者へのアンケート調査を行い、輸出量を集計しています。

事業系(自販機、スーパー、コンビニなど)からの回収量は、推進協議会での調査以外では得られることができません。事業者の業務内容の変更や事業の撤退などがあり、毎年調査先を更新しています。また、ヒアリング調査にて事業者との信頼関係を構築するなど、捕捉量の向上、精度アップのための活動を続けていきます。

推進協議会では3R推進のため、2021年度からの自主行動計画2025の中で、引き続き「リサイクル率85%以上の維持」を目標として掲げています。推進・啓発活動を実施し、目標達成に努めます。

市町村の指定法人引き渡し量は220千トン

2022年度の使用済みPETボトルの市町村分別収集量のうち、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(以下、指定法人)への引き渡し量は、前年度より17千トン減の220千トンとなりました。

一方、指定法人ルート外の独自処理量は、市町村と飲料メーカー・再生処理事業者との連携によるPETボトルの水平リサイクルへの取り組み増にともない、前年度より21千トン増の110千トンとなり、独自処理比率は33.4%(前年度より6.0ポイント増)でした(図6)。

図6. 指定法人引き渡し量および独自処理量の推移

指定法人引き渡し量および独自処理量の推移

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使用済みPETボトルの輸出量は減少傾向

使用済みPETボトルの輸出量(フレーク状のものとベール品の合計)は、年々減少傾向にあり、2022年度は前年度より32千トン減の93千トン(前年度比75%)でした。

なお、2021年1月から施行された「プラスチックの輸出に係るバーゼル法該非判断基準」により、使用済みPETボトルのベール品は規制対象となり、輸出できなくなりました。

図7. 使用済みPETボトルの形態別輸出量推移

使用済みPETボトルの形態別輸出量推移

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指定法人落札単価の動向

2022年度のPETボトルの落札単価(加重平均;消費税抜き)は、原油価格高騰と円安にともなうPET樹脂価格の上昇やボトルtoボトルへの需要増を受け、通期-87.2円/kg(上期:-64.2円/kg、下期:-115.4円/kg)でした。

2023年度は、PET樹脂価格が低下し市況も落ち着きを取り戻し、落札単価は、通期-52.4円/kg(上期:-60.4円/kg、下期:-42.6円/kg)となり、2022年度より約35円/kg下がりました(図8)。

図8. 指定法人の落札単価と有償分拠出金額

指定法人の落札単価と有償分拠出金額

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