7 推進協議会の取り組み

(1)海洋プラスチックごみ問題への取り組み

PETボトルのマイクロプラスチック問題に取り組んでいます。2020年度は、「マテリアルライフ学会」で河川から回収されたPETボトルの科学的分析を行い、「マイクロプラスチックになるような兆候は見られなかった」ということを報告しました。

 海洋プラスチックごみで問題になるのは、陸域から投棄された使用済みPETボトルが河川を流れ、海洋に到達することに起因しています。推進協議会では、このように投棄された使用済みPETボトルの清掃活動にも協力しています。

これらの清掃活動で回収したPETボトルを分析することで、劣化状態やマイクロプラスチック生成のメカニズムを検討しています。さらに、ウェザメーターを使用した耐候性試験(加速試験)と屋外暴露試験を実施して、劣化状態の経時変化を調査しています。耐候性試験においては、4,200時間までの照射試験(太陽光換算で約3年)で、表面に経時で劣化が観察されましたが、崩壊までには至っていないという結果が得られています。

また、四日市大学の千葉賢教授らは、陸域での移流拡散と河川域での漂流・再漂流を考慮したPETボトルの移動シミュレーションを行い、以下のような考察をしています。

四日市大学 千葉教授らの研究

以上のような調査・分析からPETボトルは、屋外で崩壊に至るまでには、かなりの期間を要するため、引き続き、適切な回収やリサイクルの強化により流出を減らし、流出してしまったボトルについては収集活動により回収していきたいと考えています。

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