PETボトルリサイクル年次報告書発行 20周年

PETボトルのリデュース、リサイクルを推進
消費者、行政、業界の連携で世界最高水準へ

PETボトルは落としても割れない安全で衛生的な容器として米国で登場し、日本では1977年にしょうゆ用に、1982年から清涼飲料水、1985年から酒類用で利用されています。

1997年から容器包装リサイクル法によってごみの減量化と資源を有効利用する循環型社会の構築へ消費者、行政、業界が全国で一丸となって取り組んだ結果、PETボトルを使用した商品が支持され生産量が右肩上がりで推移する中で、現在のリサイクル率85.8%、軽量化率24.8%(2004年度比)と高い水準となっています。

PETボトル自主設計ガイドライン

世界最高水準まで引き上げることができた背景には1992年に制定した「自主設計ガイドライン」が大きく寄与しています。PET識別表示マークによって消費者へ啓発、リサイクル意識を高めていきました。また自主設計ガイドラインの改訂を重ね、1998年にはアルミからプラスチックキャップへ変更、2001年には着色PETボトルを廃止し無色透明にしたことがリサイクル向上の原動力となっています。

草創期(1982~2000年)

食品衛生法が改正され清涼飲料水に使用ができるようになった1982年から業界では調査・研究を始め、1992年に自主設計ガイドラインを制定、翌年に業界が出資して日本初の大規模リサイクル施設が稼働、同年、識別表示マークの義務化、1995年容器包装リサイクル法(以下、容リ法)成立、1997年指定PETボトル施行とリサイクルのためのインフラが整った時期と言えます。2000年の回収率は34.5%でした。

発展期(2001~2009年)

年次報告書を発行した2001年には回収率は44%で、2009年には77.4%になりました。消費者の分別排出が進み、再商品化用途も拡大、容リ法の役割分担が機能してPETボトルのリサイクルは進展していきました。

成熟期(2010~2019年)

2010年に回収率からリサイクル率へ指標を変更、これ以降リサイクル率は85%前後と安定した状態を維持しています。一方でリデュースではボトルの軽量化が進み、2019年度では2004年度を基準として軽量化率24.8%となりました。技術の進化が大きく貢献した結果です。

新たなステージへ(2020年から)

清涼飲料業界が2018年11月に他の業界に先駆けプラスチック資源循環や海洋プラスチック対策に取り組むため「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表しました。業界が一丸となり2030年度までにPETボトルの100%有効利用※を目指すもので、これを契機に有効利用という新しい指標にも取り組んでいます。かねてから取り組んでいた水平リサイクルであるボトルtoボトルへ舵が切られる中で新たなステージを迎えています。

軽くて割れない、中身が見えて衛生的なPETボトルが今後も消費者から支持されるため業界の努力が続きます。

  • ※有効利用:リサイクルに熱回収を加えたもの

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