Recycle(リサイクル)

(4)環境負荷の側面からみたリサイクル効果の評価

リサイクルで環境負荷は大幅減

■評価結果

2016年度のデータを用いてPETボトルのリサイクルによる環境負荷低減効果をLCA(ライフサイクルアセスメント)手法により評価しました。その結果を図10に示します。
日本で利用されている指定PETボトルの、資源採掘からボトル生産・利用・排出回収・リサイクル・再利用(利用不可物の廃棄処理を含む)までのCO2総排出量は2,100千トンとなりました。これは、リサイクル・再利用が無い場合の3,583千トンと比較し、約41%少ない結果でした。
PETボトルは高いリサイクル率により大幅に環境負荷を低減していることを確認しました。
なお、2017年度はリサイクル率84.9%にて、CO2総排出量は約41%減でした。

※2016年度に関する詳細データは、推進協議会Webサイトで見ることができます。

図10. CO2排出量削減効果
図10. CO2排出量削減効果

※「原料樹脂・ボトル生産」には、ラベル・キャップとこれらの原料樹脂の生産を含む。
※「回収・リサイクル・再利用」の「再利用」は、再生材料を用いた繊維・シートなどの生産を意味する。
※端数処理のため、数値が合わない場合があります。

表4. 2016年度の主要基本データ

※「回収・廃棄総量」は、未捕捉分を含めた、回収対象となるボトル・キャップ・ラベル・異物の仮定の総量を表す。
※「代替PET樹脂量」は、リサイクルPET樹脂量から、ボトルtoボトル樹脂量(58千トン)と製品化ロスを除いた重量を表す。

(5)中国および東南アジアの動向

2018年度の使用済みPETボトルの輸出量は、中国での2018年1月からの廃プラスチックなどの禁輸措置により、大幅に減少するものと予想されました。しかし、実際は前述の通り(P7 図7参照)、2018年度の使用済みPETボトルの「フレーク状のもの」と「ベール(ボトルプレス)品」の輸出量は合計で211千トンと前年度比-11%の結果でした。
フレーク状のものの輸出において、2017年度は7割を占めていた中国への輸出が、2018年度では、11千トン(前年度比7%)と激減。2018年6月には、Aグレードフレークの輸入解禁かと思われるような動きもありましたが、廃プラスチック輸入禁止措置が厳格に実行されています。一方、これを受けて中国に代わり、マレーシア、韓国、ベトナムなどのアジア諸国への輸出が増えました。
ベール品の輸出量は、2017年度の25千トンに対し、2018年度は49千トンとなり、約2倍の増加となっています。2018年度は中国へのベール品の輸出は無く、台湾やインドネシアが増えました。
しかし、これらのアジアの国々においても、廃プラスチックの輸入を制限する動きがあり、また、バーゼル法改正にともない、今後、使用済みPETボトルの輸出に影響が出るものと想定されます。

表5. フレーク状のもの 主な国別輸出量(品目コード:391590110)
表6. ベール品 主な国別輸出量

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