2014年度のリサイクル率の「分母」となる指定PETボトル販売量（総重量）は569千トンで、前年度比1.6％の減少となりました。国内の生産本数は1.2％の伸びでしたが、一層の軽量化が進んだために、ボトルの総重量は減少しました。
一方、リサイクル率の「分子」となるリサイクル量は国内再資源化量271千トン、海外再資源化量199千トンの合計470千トンでした。
図3に示したようにリサイクル率は82.6％で、対前年度3.2ポイントの減少となりました（図3、図4）。過去3年連続で目標を達成してきましたが、今年度は達成するができませんでした。
回収量調査にあたって、市町村回収については、環境省発表データを使用するとともに、使用済みPETボトルの回収、再商品化を行う事業者へのアンケート調査を行い、国内リサイクル向けの回収量を集計しています。また、PETくず輸出事業者へのアンケート調査から、海外へのPETボトル由来の輸出量を推計しています（アンケート調査は推進協議会が第三者調査機関へ委託し実施）。
把握できていない使用済みPETボトルの取り扱い事業者がいることから、毎年継続的に調査ヒヤリングを強化していますが、特に事業系回収量調査のアンケート回答率が、まだ十分に高いとはいえず、引き続き捕捉向上、精度アップのための活動を続けていきます。
推進協議会では３Ｒ推進のため、2015年度までの第２次自主行動計画の中で、「リサイクル率85％以上の維持」を目標として掲げており、推進・啓発活動を実施し、引き続き達成に努めます。
日本のリサイクル率は欧米と比較すると、引き続き世界最高水準を維持しています。
※図5のリサイクル率の分母をPETボトル販売量に統一して、推進協議会で計算し直しています。
2014年度の使用済みPETボトル市町村分別収集量のうち、（公財）日本容器包装リサイクル協会（以下、指定法人）への引き渡し量は193千トンとなり、前年度より7.2千トンの減少となりました（図6）。
指定法人ルート外の独自処理量は89.5千トンと前年より2.7千トン減少しましたが、独自処理比率は32％と未だに高い比率です。
（出所）指定法人引き渡し量：（公財）日本容器包装リサイクル協会
市町村が独自処理を行う89.5千トンについて、再商品化事業者が有している再商品化能力（再商品化可能量422千トン）への充足および国内の再生利用市場への再生資源の安定供給のために、指定法人への一層の円滑な引き渡しが求められています。
国内のリサイクル基盤の安定化のために、引き続き円滑な引き渡しの理解を深める活動を進めていきます。
2014年度の入札では－59.5円/㎏（上期：－59.2円/㎏、下期：－59.8円/㎏）と過去最高値を大きく更新しました。
2013年度の入札では、前年の混乱から上期は-21.3円/㎏（有償）に落ち着きましたが、下期は再び-48.9円/㎏に上昇しました。通年平均では-33.3円/㎏となります。（図7：図中には2013年度分からは、通年平均値を記載しています）
しかしながら、2015年度の入札では、2014年秋口から原油価格の暴落によるPET樹脂の市況価格の下落の影響で－31.0円/㎏（上期：－25.3円/㎏、下期：－38.0円/㎏）に落ち着きました（図7）。
（出所） （公財）日本容器包装リサイクル協会
図8に財務省貿易統計の「ポリエチレンテレフタレートくず（PETくず）」の輸出量を示します。
2014年度は中国の景気が鈍化し、PETくず輸出が低調で、386千トンと前年度比13.4％減少しました。なお、貿易統計の数値には使用済みPETボトル由来のくずのほかに、シートくず、フィルムくずなどのボトル以外のくずも含まれています。
（出所）財務省貿易統計
