5.Recycle(リサイクル)

(1)使用済みPETボトルのリサイクル2012年度リサイクル率は85.0%

目標値を2年連続達成

2012年度のリサイクル率の「分母」となる指定PETボトル販売量(総重量)は、583千トンで、前年度比3.4%の減少となりました。国内の生産本数は1.7%の伸びでしたが、一層の軽量化が進んだために、ボトルの総重量は減少しました。
一方、リサイクル率の「分子」となるリサイクル量は国内再資源化量254千トン、海外再資源化量241千トンの合計495千トンで、前年度と比べて4.4%の減少でした。
以上を分母分子としたリサイクル率は85.0%で、前年度比0.8ポイントの減少となりましたが、2年連続で目標値を達成しています(図4、図5)。
推進協議会では3R推進のため、2015年度までの第2次自主行動計画の中で、「リサイクル率85%以上の維持」を目標として掲げており、目標達成に向けた推進・啓発活動を引き続き実施していきます。

図4 . 国内再資源化と海外再資源化

図:図4 国内再資源化と海外再資源化

図5. 回収・リサイクルの概要

図:図5 回収・リサイクルの概要

(出所)

再商品化量(環境省速報値):分別収集実績量から異物などを取り除いた後、再商品化事業者に引き渡された量

回収・リサイクルに関する推進協議会調査の強化

回収量調査にあたって、市町村回収については、環境省発表データを使用するとともに、使用済みPETボトルの回収、再商品化を行う事業者へのアンケート調査から、国内リサイクル向けの回収量を集計しています。また、PETくず輸出業者へのアンケート調査から、海外へのPETボトル由来の輸出量を推計しています(アンケート調査は推進協議会が第三者調査機関へ委託し実施)。
 現状ではデータの捕捉が十分ではないため、把握できていない使用済みPETボトルの取り扱い事業者の調査ヒヤリングをより強化し、今年は可能性のある事業者約200社へ新規にアンケート調査することができました。しかし、アンケート調査の回答率が、まだ十分に高いとはいえず、引き続き捕捉向上、精度アップのための活動を続けていきます。

世界最高水準のリサイクルを維持

日本のリサイクル率を2012年の欧州リサイクル率39.1%、米国リサイクル率21.1%と比較すると、引き続き世界最高水準をキープしています(図6)。

図6 . 日米欧のPETボトルリサイクル率の推移と2012年度実績

図:図6 日米欧のPETボトルリサイクル率の推移と2012年度実績

2012年度実績

図:図6

※総回収量はキャップ・ラベル・異物を含む。
※再商品化量はキャップ・ラベル・異物を含まない。
(出所)米国=NAPCOR、欧州=PETCORE、日本=PETボトルリサイクル推進協議会
※リサイクル率の算定方法の詳細は推進協議会HPをご覧下さい。

前年度に引き続き市町村指定法人引渡し量が横ばい

2012年度の使用済みPETボトル市町村分別収集量のうち、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(以下、指定法人)への引渡し量は195千トンで、前年度と同等でした。これは、PETボトルの販売量が21千トンあまり減ったことを考慮すると、引き続き指定法人への引渡しが進んでいると考えられます。 しかし、指定法人ルート外の独自処理量は、94千トンと前年より1千トン増加し、独自処理比率は微増傾向にあります。

円滑な引渡しのさらなる促進

市町村が独自処理を行う94千トンについて、再商品化事業者が有している再商品化能力(再商品化可能量 421千トン)への充足および国内の再生利用市場への再生資源の安定供給のために、指定法人への一層の円滑な引渡しが求められています。
国内のリサイクル基盤の安定化のために、引き続き円滑な引渡しの理解を深める活動を進めていきます。

図7 . 指定法人引渡し量および独自処理量の推移

図:図7 指定法人引渡し量および独自処理量の推移

(出所) ○指定法人引渡し量:公益財団法人日本容器包装リサイクル協会

指定法人落札価格とその課題

2012年度は、欧州に端を発した不況にともない、バージン樹脂価格が下落しました。そして国内の再生PET樹脂も急速な価格低下に見舞われました。そのため、落札した再生事業者の一部が市町村からの引取りを返上したため、指定法人では、再生処理業務の円滑な遂行のために「平成24年度PETボトル再商品化事業に関する措置規定の軽減適用」を実施し、下期に再商品化事業者の再選定を実施しました。2012年度下期に、指定法人を事務局として「入札制度検討会」が設置されました。2013年度は暫定的に年2回入札が行われます。

図8 . 指定法人の落札単価と有償額

図:図8 指定法人の落札単価と有償額

(出所)公益財団法人日本容器包装リサイクル協会

海外需要

2012年度は欧州不況などにより、中国からの買い付けが手控えられると思われていました。しかしながら、財務省貿易統計などからも海外需要は旺盛であることがわかります。

図9 . PETくず国別輸出量(暦年)推移

図:図9 PETくず国別輸出量(暦年)推移

(出所)財務省貿易統計

<参考>回収率(従来指標)の推移

従来回収率は市町村分別収集量(環境省発表)と事業系回収量(推進協議会調査)を分子にしていました。事業系回収量は実数として調査把握できた数値であり、また、キャップ・ラベルなどの異物を含むため、従来回収率は参考値の扱いとなります。

参考

図10 .PETボトルの回収率(従来指標)の推移

図:図9 PETくず国別輸出量(暦年)推移

(出所) ○市町村分別収集量は環境省資料(2012年度は速報値)
○事業系回収量・事業系ボトル回収量・指定PETボトル販売量はPETボトルリサイクル推進協議会資料
○樹脂生産量は、指定PETボトル用樹脂の生産量。PETボトル協議会資料

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