9.資料編

PETボトルとリサイクルの歴史

PETボトルの歴史は比較的新しく、米国にて基礎技術、特許が取得され、炭酸飲料用ボトルに採用されました。
日本においては、1977年にしょうゆ容器として採用したのが始まりです。その後、1982年には食品衛生法が改正され、清涼飲料容器に、1985年には酒類用容器として、2002年には乳飲料容器として使用が始まりました。
一方、PETボトルリサイクルは、1990年代初頭より、取り組みが始められ1993年にPETボトル協議会が大規模PETボトル再商品化施設を建設し、日本でのPETボトルリサイクルが始まりました。これを機に飲料、しょうゆ、酒類メーカーが参画したPETボトルリサイクル推進協議会が設立されました。1997年4月の容器包装リサイクル法施行、2006年改正容器包装リサイクル法の元、PETボトルのリサイクルは、当初の10%から70%の高い回収率を示すまでに年を追うごとに着実に進展しています。

表6 PETボトル年表

1974

12月

  • 米国において炭酸飲料用に使用開始

1977

1月

  • 日本においてしょうゆ500ml容器として使用開始

1982

2月

  • 食品衛生法が改正されて清涼飲料用にPETボトル使用が認められる
  • 日本で耐熱ボトル開発される

10月

  • PETボトル協議会設立

1985

8月

  • 酒類用(焼酎)容器として使用開始

1990

4月

  • 高知市、神奈川県伊勢原市でPETボトル回収実験開始

1992

10月

  • PETボトル用自主設計ガイドラインを通産省、農水省および大蔵省の指導のもとに飲料用、しょうゆ用について設定

1993

1月

  • 再商品化施設ウィズペットボトルリサイクル株式会社を設立

6月

  • PETボトルリサイクル推進協議会設立(略称:推進協議会)
  • PETボトルが再資源化法第二種指定製品に指定される
  • 飲料用、しょうゆ用PETボトルは識別マークを表示

9月

  • ウィズペットボトルリサイクル(株)稼働
  • PETボトルのリサイクルが本格的に開始

1994

3月

  • PETボトル減容器の推奨機種の認定をPETボトル協議会が開始

1995

6月

  • 容器包装リサイクル法(容リ法)成立

9月

  • PETボトルリサイクル推奨マークの運用を開始

12月

  • 推進協議会はPETボトルの再商品化工場構想(全国8工場)を発表

1996

4月

  • (社)全国清涼飲料工業会が小型PETボトルの発売の自主規制を廃止

1997

4月

  • 容器包装リサイクル法がPETボトルへも適用

1998

4月

  • 西日本ペットボトルリサイクル(株)稼働

1999

4月

  • 北海道ペットボトルリサイクル(株)稼働

10月

  • PETボトルの収集量に対して再商品化能力が不足(一時的なミスマッチ現象)

2001

9月

  • 「PETボトルリサイクル年次報告書(2001年度版)」発刊

2002

12月

  • 乳等省令の改正により、乳飲料等へのPETボトルの使用が可能となる

2003

11月

  • 帝人ファイバー(株)のボトルtoボトルプラントが稼動

2004

 

  • 中国輸出が増加

3月

  • 食品安全委員会より化学分解法による再生PET容器包装が食品用容器包装として認められ、使用可能となる

4月

  • 清涼飲料メーカーがボトルtoボトルによるPETボトル製品を上市

2005

3月

  • 「容器包装リサイクル法の見直しに関する意見書」を経済産業省、環境省、農林水産省に提出し、それぞれの審議会等で資料として活用される

10月

  • (社)日本経済団体連合会は提言「実効ある容器包装リサイクル制度の構築に向けて」を発表

12月

  • 容器包装に係る8団体は「容器包装リサイクル法の目的達成への提言」を発表

2006

2月

  • 指定法人において使用済みPETボトルの有償入札が行われる

3月

  • 容リ法の一部改正法案が国会に上程される
  • 3R推進団体連絡会を結成し、自主行動計画を発表

6月

  • 容器包装リサイクル法の一部改正法(改正容リ法)成立

10月

  • 「市町村に対し指定法人への円滑な引渡し」を求める要望書を送付

2007

10月

  • 乳等省令が改正され、乳等1群食品(牛乳容器等)にPETボトルが使用可能となる
  • 容リ法の省令改正により市町村への資金拠出制度が新設された

2008

2月

  • 資源有効利用促進法が改正され、指定PETボトルに特定調味料が追加された

10月

  • 世界的金融危機のため、使用済みPETボトルの国内外における価格が大幅に下落した

2009

1月

  • 緊急対策として指定法人は、追加入札および既存契約分の見直しを行った

4月

  • 指定法人契約量が204千トンの史上最高量

6月

  • 2008年から実施された環境省「リユース研究会」でPETボトルのリユース使用の結論が出された(P6リユース参照)

12月

  • PETくず輸出量史上最高396千トンを記録

2010

4月

  • 指定法人引渡し量194千トンの史上最高量

12月

  • PETくず輸出量衰えず390千トン

2011

3月

  • 3R推進団体連絡会「第2次自主行動計画」を発表

4月

  • ミネラルウォーターの緊急輸入に対応(マーク表示、言語、ボトル  着色など)
  • 容リ落札単価史上最高値(47.85円/kg)

5月

  • メカニカルリサイクルのボトルtoボトル上市

2012

3月

  • 厚生労働省「食品用器具及び容器包装における再生プラスチック  材料の使用に関する食品衛生指針」が審議会で承認。
  • 2011年度指定法人引渡し量、史上最高を更新(195千トン)

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