5.Recycle(リサイクル)

(5)PETボトルの店頭回収における事業者の取り組み

―ユニー株式会社―

画像:ユニー株式会社

はじめに

使用済みのPETボトルの回収は、家庭から排出されたものを自治体が回収するだけでなく、事業系を含んだ多様な取り組みがあります。
この度は、多様な回収の一部であるユニー株式会社様(以下ユニー)の店頭回収の取り組みについてご紹介いたします。

ユニーの店頭回収

“環境に配慮した店づくり”を目指しているユニーでは、ごみの減量やリサイクルを積極的に推進しており、お客様が利用しやすいように、エコステーションのほか各所に分別ごみ箱が設置されています。エコステーション設置の目的は、回収されたPETボトルを含む容器包装が、どのような製品に再生利用されたかをお客様に知っていただき、循環型社会の重要性を理解していただくことです。

画像:エコステーション

エコステーション

店頭回収の目的

店頭回収の目的は、CSR(企業の社会的責任)が重要なファクターになっていますが、お客様からの強い要望(自治体の分別収集カレンダーでは家庭での保管が困難)もあるようです。
その他、PETボトルのキャップも回収しており、キャップの売却金額は直接NPO法人「世界の子供たちにワクチンを日本委員会」へ寄付されています。

店頭回収の課題

ユニーでは、回収したPETボトルを商品配送の帰り便に乗せてリサイクルセンターに集約されます。最も効率的な回収方法といって良いでしょう。しかしながら、エリアによっては、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)上の問題(産業廃棄物の収集運搬免許を必要とする)で、店舗ごとに産業廃棄物収集運搬事業者へ外部委託して処理していますので流通にとっては大きなコスト負担になっています。また、年間の店頭回収総量は、約1800トンにも昇り、作業そのものに大きな負担が掛かっているのも事実です。

画像:リサイクルセンター

リサイクルセンター

店頭回収に関する自治体との連携

名古屋市、安城市などでは店頭回収された容器包装を事業系ではなく、自治体で処理しています(自治体が店頭回収分を引き取っている)。ユニー全体での店頭回収の内訳は、自治体処理が約50店舗、事業系が約150店舗程度となっており、約25%が自治体で処理されています。

廃棄物処理法の問題点

店頭回収されたPETボトルは産業廃棄物と位置づけられ、収集運搬免許が必要と判断される場合があります。PETボトルの位置づけ(産業廃棄物か否か)は自治体によって様々ですが、産業廃棄物と位置づけている自治体の姿勢は、低コストで効率的にリサイクルしようと積極的に取り組んでいるユニーの取り組みの障害となっています。次期容器包装リサイクル法見直しに向けての対応が必要不可欠です。
ユニーではPETボトル以外でも様々な取り組みを実施しており、地域住民の方々と力を合わせて廃棄物削減や店頭回収など、環境保全に積極的に取り組んでいます。

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