2010年度の回収率の「分母」となる指定PETボトル販売量は、595千トンで、前年度比5%の増加となりました。
一方、回収率の「分子」となる市町村分別収集量と事業系ボトル回収量の合計量は429千トンで、前年度比2%の減でした。その結果、回収率は72.1%で、前年度を5.4ポイント下回りました。(図1)
推進協議会では3R推進のための第一次自主行動計画として、2010年度の回収率を75%以上とする目標値を掲げ、2008年度(78.0%)、2009年度(77.5%)は前倒しで達成しましたが、目標最終年である2010年度は未達となりました。
2010年度の市町村分別収集量は295千トンと前年度と比較して2.8%増でした。市町村回収以外の事業系ボトル回収量については、推進協議会が2001年度から独自に調査を進めてきましたが、2010年度は134千トンと前年を大きく下回り、11%減となりました。その結果、回収率の数値が低下しました。事業系ボトルの回収量は、使用済みPETボトルを再利用のために回収、再商品化を行う事業者を対象とし、回収品の受け入れ量をアンケート調査により集計しています(第三者調査機関へ委託)。今回の調査では、調査先330社のうち238社から回答を得ることができましたが、資源化した使用済みPETボトルの回収ルートが多様化したことなどを背景に、我々が把握できていない回収業者が多く存在しています。そのためデータの捕捉が十分にできていないのが現状です。推進協議会では、アンケート調査による事業系回収量の把握度が回収率に大きく影響を与えるという課題を検討してきました。
(出所)
○市町村分別収集量は環境省資料(2010年度は速報値)
○事業系回収量・事業系ボトル回収量・指定PETボトル販売量はPETボトルリサイクル推進協議会資料
○樹脂生産量は、指定PETボトル用樹脂の生産量。PETボトル協議会資料
※千トン未満を四捨五入してあるため、合計数値があわない場合があります。
日本の回収率は、2010年の欧州回収率(48.3%)、米国回収率29.1%と比較すると、これまで通り高い水準にあります。(図2)
(出所)
○米国=NAPCOR
○欧州=PETCORE
○日本=PETボトルリサイクル推進協議会(2001~2004年度は旧回収率)
※1 |
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指定PETボトルは、飲料、特定調味料の用途からなっています。 |
※2 |
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「回収率」は、経済産業省主催の資源循環指標調査検討委員会(2002年6月、報告書『資源循環指標策定ガイドライン』を公表)に定められており、そのガイドラインに「分母は、国内にて消費された製品」とあるのを受け、2005年度分より、分母を従来の「指定PETボトル用樹脂生産量」から「指定PETボトル販売量」に、改訂いたしました。 |
(2)