5.Recycle(リサイクル)

(3)海外調査~中国PETボトルリサイクル技術調査(2015年9月 山東省、江蘇省、浙江省)~

第11回中国国際リサイクルポリエステル会議

 日本のPETボトルリサイクルの実態を理解するうえで、中国のPETボトルリサイクル市場の全体像および中国市場における日本の回収PETボトルの位置づけを知ることは大変重要です。推進協議会は、2014年度に続き2015年9月14日から19日まで中国を訪問し、PETボトルの再生事業者の視察や第11回中国国際リサイクルポリエステル会議への参加により、技術、市場情報および中国政府の政策動向を調査しました。
 中国の再生ポリエステル繊維の原料は、年間で国内回収PETボトルが約300万トン、回収繊維が約100万トンに対して、輸入回収PETボトルが約200万トンと、引き続き大きな量が輸入されています。推進協の調査では、日本から海外に輸出され再商品化された量は2013年度24万トンが、2014年度20万トンと低減し、その大多数が中国向けと推定されていることから、中国成長減速の影響が出たものと推察されます。
 しかしながら、日本からの輸入回収PETボトルフレークを主要な原料としている一部の再生製品(短繊維)製造事業者は、日本からの輸入量をさらに増やす事業展開を進めていました。これは、一部企業による日本回収PETボトルフレークの寡占化が進んでいることを意味します。

リサイクルPET中空3D繊維

 一方、回収PETボトルをベールの形態で入手し、自社技術で高品質の長繊維やカーペット、毛布などに製品化している会社が、事業拡大のために日本からのベール輸入を取り進めていました。中国の成長減速と、一部の回収PETボトル再生品事業者の日本品輸入増の相反する動きが不安定リスクを増大しています。
 2015年1月より中国の「加工貿易禁止品リスト」にPETくずが入ったことによる、日本のPETくずの中国向け輸出への急激な影響が心配されましたが、現地調査により、関係する各企業にとって実害がなく事業に直接影響するものではないことが判りました。
 今回、多くの訪問先企業が強調していたことは、2016年からの中国5ヶ年計画において環境保護が重要政策になるため、廃水処理設備がないなどの環境対策ができない企業は淘汰されていくとの見方がありました。また、バージンPET樹脂価格低迷のなか、再生PET製品も技術競争力が問われるようになっており、短繊維では従来は高機能品であった中空3D繊維が一般品化していることや、高強度長繊維の市場供給など、高付加価値品への移行が見られました。引き続き中国のPETボトルリサイクル市場の動きを注視していく必要があると思われます。

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