4.Reuse(リユース)

PETボトルのリユースに向けての取り組み

リターナブルPETボトルの調査・研究

1)LCA評価結果

2008年3月に発足した「ペットボトルを始めとした容器包装のリユース・デポジット等の循環的な利用に関する研究会」(環境省PETリユース研究会)が、2009年8月に中間取りまとめを行い、この中でLCA手法によりPETボトルをリターナブル(リユース)で使用する場合とワンウェイで使用する場合の比較評価を行った結果、「リターナブルPETボトルは、空ボトルの回収率が90%以上で、工場から販売拠点までの輸送距離が100km未満という非常に限られた条件下でのみ、ワンウェイPETボトルより環境負荷が小さい」という結論が公表されました。

2)代理汚染物質を用いた誤用実験結果

当推進協議会技術検討委員会では、2009年6月にPETボトルをリターナブルで使用する場合の安全性に関して、ガラスびんと比較して検証試験を行いました。
「ガラスびんは、そもそも化学物質を吸着することはなく、アルカリ洗浄すれば完全に除去される。しかし、PETボトルは化学物質と接触すると、その物質を吸着し、アルカリ洗浄しても完全に除去することはできない。」という結果が得られました。
この結果から当推進協議会では、ガラスびんはリターナブルの用途に適した安全な容器であるが、PETボトルはリターナブルの用途には適さない容器であると考えています。
本内容を、2011年4月発行の「日本食品衛生学会誌vol.52,No.2」にて発表しました。

3)結論として

リターナブルPETボトルは予期せぬ汚染(悪意はなくとも飲用済みPETボトルを農薬等、人体にとっての危害物質の一時保管に用いること等)があった場合、現在の洗浄技術・検査技術では100%の除去は困難であります。しかし、会員制宅配のようなクローズドシステムで販売する場合は、異味異臭が生じないように内容物を限定し、リターナブルPETボトルの問題点を十分会員に理解してもらい、リターナブルを行う意義や誤用しない等の啓発活動を徹底することにより、PETボトルのリターナブルシステムが我が国でも成立する可能性はあります。

4)ドイツでのリターナブル容器の現状

世界に先駆けてリターナブルPETボトルを導入したドイツでも(1986年)、包装廃棄物令(72%強制デポジット法)が施行された2003年に一時的にリターナブル容器比率が55.2%に増加しましたが、2004年以降は減少傾向が続き、2009年にはその比率が24.2%まで低下しています。世界的にみてもリターナブル容器の使用は減少傾向にあります(図5参照)。

5)「再生プラスチック」材料の食品用途への使用に関するガイドライン

リユース領域に近い、食品・飲料容器へのリサイクル(ボトルへの再生利用)に関して、厚生労働省 食品衛生審議会 食品衛生分科会 器具・容器包装部会に参加協力を行い、再生PET材料の食品用途への使用に関するガイドラインの作成に携わりました。

図5 ドイツでのノンアルコール飲料の容器構成

図:図5 ドイツでのノンアルコール飲料の容器構成

(出所)Gfkコンシューマースキャン

6)日本におけるリターナブル容器とワンウェイ容器の推移

日本では、一部のトライアル品を除き、リターナブルPETボトルは導入されていないので、ここではリターナブル容器市場全体の推移を記します。下図(図6)は1995年からの概ね5年ごとの清涼飲料容器の生産量を記したものであるが、欧州同様、リターナブル容器の生産量は減少しています。
リターナブル容器が減少した理由は、消費者のライフスタイルの変化による、以下1)~4)と予想されます。

  1. 1)商品の多品種化に伴い、容器も多品種化。
  2. 2)購入形態が酒販店、食料品店等の御用聞き・宅配から、スーパーマーケット、ディスカウントストア、コンビニエンスストアに購入場所が変化。
  3. 3)核家族化・少人数世帯化により、ケース単位(プラスチック通い箱)での購入が衰退。
  4. 4)家庭内でのリターナブル容器の保管場所の減少。

図6 清涼飲料容器別生産量推移

図:図6 清涼飲料容器別生産量推移

(出所)社団法人全国清涼飲料工業会 「清涼飲料関係統計資料」

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