分別収集事例 名古屋市(1)
ごみ非常事態宣言都市
 昭和61年度に78万トンだったごみ量が、平成10年度には約102万トンに達し、市のごみ処理体制は、指定焼却・埋立ての両面で危機的な状況に直面した。この状況を打開するため、松原市長は平成11年2月に「ごみ非常事態」を宣言し、ごみ減量行動の実践を訴えた。『ごみ減量チャレンジ100』(市民1人1日100gのごみ減量)の徹底などにより、2年間で年間ごみ発生量の20%削減を目指している。
一気に5種の資源分別収集へ
ゴミの排出状況を視察する松原市長
 平成12年度のごみ量を約80万トンにするという目標を掲げて、今年の8月7日より5つの新たな施策を実施している。「プラスチック製容器包装」「紙製器包装」「PETボトル」のステーション収集、「スプレー缶類」の別途収集、「家庭ごみ指定袋制」の本格実施である。一気に細かな分別収集を始めたのは、ごみ非常事態宣言で、埋立て処分場も焼却工場も限界だった、どこにも埋立てられないという切羽詰った事情があって、なんとか早急にごみを減少させなくてはならなかったので包括的に一度にやろうということになった。市民の方には負担をかけたが、多少の混乱は承知のうえで踏み切った。(それまでは、PETボトルの収集は1,300ヵ所ほどの拠点回収。家庭ごみは指定袋以外でも排出できた。)
着実にごみの量が削減
広報なごや
 広報活動としては、広報誌「広報なごや」やテレビ、新聞、ラジオなどで知らせるとともに、各町内会で広報ビデオを見せながら説明会などを行った。ごみと資源物の分け方を細かく説明したガイドブック「ごみの達人 心得帳」や資源収集カレンダーなども配布した。その結果、PETボトルの収集量は同じ時期の比較で3倍ほども急増している。可燃ごみ用・不燃ごみ用・資源用の3種になった「家庭ごみ指定袋制」のスタートで可燃ごみ・不燃ごみが20~40%減少している。また、不燃ごみからプラスチック製容器包装が分かれたことにより、主流だった市指定の袋(家庭用不燃袋)の大きさが45リットルから10リットルなどの小さな袋へ移行したが、当初は不足したこともあった・・・など、混乱もあったが大きな手応えを実感している。
「ごみ減量先進都市なごや」の実現に向けてさらに挑戦
 また、実施していく中で、問題点もでてきている。例えば、「PETボトル」と「プラスチック製容器包装」のステーション収集を一緒に始めたので、ボトル類で迷う方が多いようだ。PETボトルというのがプラスチック製品というイメージが市民の中にまだあるので、PETボトルはもっと質が良く、高い次元でリサイクルできるので分別して出してくれるようにお願いしている。新聞などでもいわれているが、「プラスチック製容器包装」というと色々な種類があるので、分かっているつもりでも、いざ1個1個を見たときに具体的に「プラスチック製容器包装」に入るのか「紙製容器包装」に入るのか、もしくは不燃物になるのかということが、なかなか分からないようだ。缶・ビン以外の資源物の収集日などにも混乱があるが、全体的には順調にごみの減量は進んでいるといえる。
 大量のごみは自然環境の破壊、地球の温暖化、資源の枯渇など、私たちの生活環境ひいては地球環境そのものを破綻させかねない状況を生み出している。市民・事業者・行政のパートナーシップにより、環境への負荷の少ない「ごみ減量先進都市なごや」を目指して、さらに挑戦したい。
名古屋市環境局事業部 作業課 服部 豊 主事)
(取材 RING委員)
PET
PETボトルリサイクル推進協議会